6月9日は「ロックの日」。ラジオDJとして数多くのアーティストや楽曲の魅力を伝え続けている赤坂泰彦が、世界的ロックスターのエルヴィス・プレスリーとビーチ・ボーイズについて語る。
「『すべてがエルヴィスから始まった』と言ってもいいぐらい、エルヴィス・プレスリーはたくさんの功績を残しました。先日、小林克也さんとお話しする機会があったんですが、『8ビートの曲なのに体をシェイクすることによって16のシャッフルに聞こえてくる』とおっしゃっていました。僕も『ドント・ビー・クルーエル』とか"シンプルな曲なのになんでシェイクしてしまうんだろう?"って思いましたから、曲の中に独自のシェイクを入れたことも功績の一つだと思います。それと、ボーカルにエコーを入れたことでセクシーさが出て、ティーンエージャーに衝撃を与えました。それまではクラシックしかり、ジャズしかり、レコードは大人たちの物だったのが、エルヴィスのおかげでシングル盤がティーンエージャーの物になったんです」
赤坂さんが"動くエルヴィス"を最初に見たのは、'73年1月に世界初の衛星生中継で15億人が見たといわれるハワイ公演。
「ヘリで会場に到着して、フルオーケストラをバックに歌い、アンコールなしで颯爽と帰っていく。中学生ながらに衝撃を受けました。今の時代だとライブ映像などの画質も音質も良くなっているので、アイドルというアイコンを確立したエルヴィスの姿を映像で見て楽しんでほしいですね」
ビーチ・ボーイズの魅力についても語った。
「チャック・ベリーの流れをくむロックンロールを基盤としたサウンドと、フォー・シーズンズと並ぶコーラスワークがビーチ・ボーイズの魅力です。個人的にも『イン・マイ・ルーム』『プリーズ・レット・ミー・ワンダー』といったコーラスナンバーが好きですね」
赤坂さんは '01年3月にニューヨークで行われたブライアン・ウィルソンのトリビュートライブでビーチ・ボーイズの楽曲の良さを改めて感じたという。
「ニューヨークを訪れた時、幸運にもチケットを買うことができました。リッキー・マーティン、ポール・サイモン、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエルらがビーチ・ボーイズのナンバーを歌うわけです。涙がボロボロ流れるぐらいメロディーが美しくて、改めていい曲が多いんだなって。約3分間の曲を聞くだけで自分の好きな海に行けるんです。今のご時世だからこそ、ビーチ・ボーイズのライブを見て、聞いて、イメージだけでも海岸の雰囲気を味わってもらいたいなって思いますね」
あかさか・やすひこ●'59年生まれ。ラジオDJや番組MC、ナレーターとして活躍中。現在は「歌謡プレミアム」(BS日テレ)、「ラジオマンジャック」(NHK FM)にレギュラー出演中。
取材・文=田中隆信
放送情報
エルヴィス・プレスリー: ロック・スター伝説
放送日時:2020年6月4日(木)19:05~
ビーチ・ボーイズ: ロック・レジェンズ
放送日時:2020年6月9日(火)23:30~
チャンネル:ミュージック・エア
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