演歌の枠に収まらない氷川きよしの楽曲の幅

2000年2月2日に「箱根八里の半次郎」でデビューし、今年歌手活動満20年を迎えた氷川きよし。デビュー曲、そして2枚目のシングル「大井追っかけ音次郎」も大ヒットとなり、"股旅演歌"路線で突き進むのかと思いきや「きよしのズンドコ節」で違うルートを開放。のちに「きよしのドドンパ」「きよしのソーラン節」などをリリースして"きよしの〜"シリーズもファンに愛されるシリーズとなっていった。

"演歌界のプリンス"と呼ばれ、さまざまな心情が描かれた叙情的な演歌も多く歌ってきているが、その枠に収まらないぐらいのチャレンジもし続けてきていた。それが顕著に表れたのは2017年頃。シングル「碧し」で男性4人組ボーカルグループ・GReeeeNとコラボレーションし、ポップスのフィールドの"ど真ん中"を進み、翌2018年にはアニメ「ドラゴンボール超」の主題歌を担当。そのロックな「限界突破×サバイバー」は彼のファンをも驚かせるほどの振り切った楽曲で、これまでとは違った種類の"煌びやかさ" "カッコよさ"でアニメファンとアニソンファンも魅了した。

今年の2月から21年目に突入したが、その時、彼は「氷川きよしの第2章が始まります」と語っていた。その第2章に入ってからは、2月にシングル「母」を、6月には初のポップスアルバム『Papillon(パピヨン) -ボヘミアン・ラプソディ-』をリリースしている。コロナ禍で多くの影響を受けている中、みんなの不安を吹き飛ばしてくれるぐらいのスタートダッシュを切った。

ステージ上の氷川きよし

第2章が始まる。その言葉を受けて少し振り返ってみると、20周年イヤーの2019年2月からの1年間は、それまでの活動の集大成的な重要な期間だったのだろう。5月に大阪・新歌舞伎座での座長公演を行い、7月には日本武道館で、9月には大阪城ホールで単独公演を行った。12月に行った「氷川きよし スペシャルコンサート2019 〜きよしこの夜Vol.19〜」ではクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を日本語詞で披露して大きな話題になった。

これらの公演やコンサートはどれも印象深く、大切なものとなっているが、20周年イヤーを盛り上げる大きなきっかけとなった「氷川きよしコンサートツアー2019〜20周年大感謝祭!!〜」も忘れられないものとなった。

7月から、チャンネル銀河で3ヶ月に渡って"氷川きよし特集"を放送しているが、8月15日(土)19時から、この「氷川きよしコンサートツアー2019〜20周年大感謝祭!!〜」がTV初放送される。彼がファーストコンサートを行った思い出の場所、東京・中野サンプラザ。このコンサートツアーで中野サンプラザ公演が行われたのは、デビュー記念日の2月2日。原点と言える股旅もの(「箱根八里の半次郎」「大井追っかけ音次郎」)、"きよしの〜"シリーズ(「きよしのズンドコ節」「きよしの人生太鼓」)、先ほど触れた「碧し」「限界×サバイバー」などを披露。原点回帰、そして長い年月をかけて積み上げたエンターテイナーとしての経験を全て詰め込んだステージになっている。21年目、"第2章"の氷川きよしを楽しむためにも、節目の大感謝祭は必見だ。

文=田中隆信

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放送情報

「氷川きよしコンサートツアー2019〜20周年大感謝祭!!〜」
放送日時:2020年8月15日(土)19:00~
チャンネル:チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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