DYGLが最新アルバム『A Daze In A Haze』を携え挑んだ、全国ライブハウスツアーを完走!

(C)ERINA UEMURA

3rdアルバム『A Daze In A Haze』を携え、新型コロナウイルスの感染防止対策を万全に講じた上で挑んだDYGL(デイグロー)の全国ライブハウスツアー。10月1日の初日、静岡・浜松公演を台風が直撃するという波乱の皮切りだったが、19公演目となる11月5日のUSEN STUDIO COASTでファイナルを迎え、無事に完走した。

開演前、「互いに触れ合わないよう、足元のXマークの上で観てください」「歓声は絶対にお止めください」など、読み上げられるコロナ対策の注意事項。ほどなくしてメンバーが登場すると大きな拍手が起きる。秋山信樹(Vo/G)、下中洋介(G)、加地洋太朗(Ba)、そしてドラマーの嘉本康平はこのツアーではギターを担い、サポートドラマーとして鈴木健人(never young beach)が参加するというイレギュラーな布陣である。

(C)ERINA UEMURA

まずは、『A Daze In A Haze』の1、2曲目を飾る「7624」「Banger」を連打。以後、アルバム収録曲を中心としながら、パワフルな歌唱を響かせる「Spit It Out」や、温かなコーラスワークが多幸感をもたらす「Happy Life」など、新旧交えたセットリストを流れるように展開していく。「An Ordinary Love」では気怠いグルーヴ感で空気を一変。全曲英詞かつ洗練されたサウンドは世界基準。DYGLというバンドのスケール感を、序盤から見せつけた。

「友だちのことと、時間が過ぎていくことと、爆音で音楽を聴くことについて歌った曲です」(秋山)との言葉から、「Stereo Song」を披露。「Did We Forget How to Dream in the Daytime?」もそうだが、閉塞したコロナ禍の空気感は、直接的ではなくても音楽に反映されている。優しいメロディーと清らかなコーラスに聴き入っていると、暗い水底へと沈んでいくようなサイケデリックな音世界へと変貌していき、下中がヴォーカルを務める「Bushes」へ。曲ごとに全く違った顔を見せていく。1960年代のロックンロールが宿していた熱量や社会への訴求力、1990年代から2000年代に掛けてのオルタナティヴロックの感性、更には近年のポップやヒップホップのエッセンスも取り込んだ、多様で自由な音楽性。秋山は息をするように歌い、メンバーの演奏は即興セッションのように生き生きとしてナチュラル。ロックバンドという原初的なフォーマットで最新の息吹を放つ、気鋭のバンドである。

(C)ERINA UEMURA

音楽だけでも十分な説得力を持ちながら、この日はMCも雄弁。秋山はバンド結成から現在に至るまでの道程を思い返しつつ、2020年のコロナ禍突入以降の悩みを吐露していく。バンドとしても葛藤したと明かし、「音楽でしか自分たちは生きている証明とか、"生きている"実感とか、"楽しい"という気持ちだったりとか...そういうものは感じられないんじゃないか?という話になって」と秋山。2020年の夏、嘉本の声掛けを発端に、2020年中にアルバムをつくる方向が定まったという。「スマートに30秒ぐらいのMCをしようと思ったんですけど、全く無理でした(笑)」と熱く語ったのだった。「皆さん、行きたい場所に行けなかったり、一番は会いたい人になかなか会えなかったりとか、いろんな制約があって。その上でSTAY HOMEと言われて、でもその必要も分かるし。考えながら自分の部屋にいて、見慣れた天井を眺めながら、毎日毎日寝ている布団に"沈んでいく"ような気持になった方がいたら、その方のために演奏したいと思います」との語りに続いて「Sink」を届けた。CMソングに起用されたポップな歌メロと、それに絡まるギターのフレーズ。ミディアムテンポの明るい曲だが、直前のMCを踏まえて聴くと、より深い感慨が沸き起こってくる。

「初心に帰って、1stアルバムの曲を演奏したいと思います」との言葉から放った「Waste of Time」は、オレンジの光に染められながら、声を嗄らして絶唱。「生きててくれてありがとう! 存在してるってすげぇよ、ほんとに!」と叫んだ。ドラムカウントから始まった「Let It Out」も渾身のパフォーマンスで、それを受けた観客は、声を上げることはできないものの手を挙げ全身で想いを表現した。本編ラストは「The Search」の音と音とが激しくぶつかり合うようなアンサンブルで圧倒。そこにあったのは、言葉が入り込む余地のない音楽のパワー。圧巻の幕切れだった。

アンコールでは改めて、明治学院大学のサークルでのバンド誕生エピソード、高円寺のライブハウスでの初ライブ、その後の活動を多くの人たちが助けてくれたことを振り返り、感極まった様子。DYGLの活動だけでなく、音楽、ひいてはアート全般が直面する窮状への危機感に言及し、サポートを呼び掛けた。披露したのは「Let It Sway」、「Don't Know Where It Is」の2曲。噴き出すマグマのような爆発的なエネルギーを感じさせる音と演奏は、熱くも清々しい印象を残した。

アンコール曲を披露する前、「皆さんのエネルギーをすごく感じる19本、19か所だったし、改めて今回ツアーできてよかったなと思ってます」と語っていた秋山。「すぐ曲を書きたいなと思ってるし、隙あらばまたツアーをしたり、単発のライブをしたりできたら」と意欲を示していた。苦境に負けず、ツアー完走という大きな前進をしたDYGL。次なる一歩が楽しみになるファイナル公演だった。

(C)ERINA UEMURA

WOWOWプラスでは、このライブの模様を1月にテレビ初独占放送する。世界基準のロックバンドが繰り広げた、エネルギー迸るライブを是非見届けたい。

文=大前多恵

この記事の画像

放送情報

DYGL『A Daze In A Haze』
放送日時:2022年1月23日(日)21:30〜
チャンネル名:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ

記事に関するワード

この記事をシェアする

関連記事

関連記事

人気の記事ランキング

ランキングをもっとみる

スカパー!のサブスク PLUSY 4Kテレビのサブスクサービス
スカパー!