石井竜也、5年ぶりの「ISHYST」ツアーで永久の時を感じさせる世界感を表現

撮影:荒川 潤

6月19日に5年ぶりとなる石井竜也のソロ・コンサートツアー、TATUYA ISHII CONCERT TOUR 2022「ISHYST」の東京公演が、お台場のZepp DiverCityにて開催された。

米米CLUBのカールスモーキー石井ではなく、アーティスト石井竜也の脳内をのぞき込むかのような、アート感覚に溢れたステージは、米米での活躍しか知らない者にとっては、新鮮なものに思えるだろう。だが、石井はソロとしても98年の『H』を皮切りに、現在まで23枚ものオリジナル・アルバムを発表している。また舞台美術や空間・イベントのプロデュース、アクセサリー等のデザインから絵画、オブジェの制作まで表現者として多岐に渡る活動を行っており、石井のソロ・ステージは、その集大成ともいえる内容なのだ。

『TATUYA ISHII CONCERT TOUR 2022「ISHYST」より
『TATUYA ISHII CONCERT TOUR 2022「ISHYST」より

撮影:荒川 潤

ラスコーの洞窟壁画をイメージした舞台上には、両サイドにオブジェが配され、ドラム&パーカッションの新村泰文、ギター長谷川友二、ベース山根幸洋、キーボード光田健一に加え、バイオリンの石亀協子とチェロの遠藤益民が演奏する優雅なステージは、クラシカルな響きのインスト・ナンバー「CAVE RAIN」で幕を開けた。

撮影:荒川 潤

サングラスをかけた石井竜也は、ところどころに革をあしらった茶のスーツに、ベージュのシャツといったいで立ちで登場。ステージ中央のスツールに腰掛け、最初に歌われたのは、石井自身が監督をつとめた映画『ACRI』のサウンドトラックに収録された「水の星」。続く「永久追想」ではステージ上を美しいライティングが覆い、しっとりムードで公演はスタート。4曲目「輪廻」では、アフリカン・ビートのリズムに乗せた神秘的なサウンドを聴かせ、最初のMCへ。

お客を煽り、乗せまくる米米CLUBのライブとは異なり、静かに語りかけてくる石井だが、「人類の歴史なんて、時計の針が12時から1~2秒しか進んでいないようなものです」などと話はあらぬ方向に進んでいき、気がつくと「(MCだけで)20分を超えてしまいました(笑)」と笑わせる。

また、演奏に入る直前に、タイトルが背後に浮かび上がり、石井自身の声によって曲紹介されるのもユニークな演出で、「自分で言えよ!」とセルフツッコミを入れ笑わせつつ、3拍子の「碧い船」、シャッフルビートの「君をつれて」、そして「AIRAの大地」を歌う。「砂漠へ行こう」では、客席から手拍子がはじまり、ステージもライトアップ。アコースティック・ギターの音色が美しい「蒼の思い出」、厚めのコーラスが印象的な「オリハルコン」の後、石井は一度袖に引っ込み、その間インスト曲「Amacolde」が演奏される。

撮影:荒川 潤

黒地に白いペインティングが施された衣装で現れた石井は、「蒼い惑星」、「命の球体」と壮大なテーマの楽曲を歌い上げると、どこか懐かしいメロディーをもつワルツの「夕焼け飛行船」でクールダウン。米米の賑やかなナンバーとは異なり、しっとりとしたメロディーを、艶やかで、温かく、包み込むように歌い上げる石井のヴォーカルに、観客もすっかり魅了されていた。これに続いてのMCでも「僕は3拍子の曲が多いんです」「似たような曲が多いけれど、飽きずに聞いてくださいね」などとジョークを交えつつ、長生きの秘訣から、ピラミッドの正面はどこか?という話まで、次々に転がっていく石井トークの迷宮を、観客もリラックスしながら楽しんでいた。

撮影:荒川 潤

マリアッチのリズムが新鮮な、これもまた3拍子の「EL DORADO」に続き、激しいドラムとエモーショナルなギター・ソロ、さらに石井もファルセットを聴かせて重厚に歌い上げるスケールの大きな「天地の乱舞」で一旦袖に引っ込み、再び現れたときには、無数の数字が描かれた独創的なデザインのコートに、オレンジ色のストール姿。本編最後の曲は「夢の迷い道で」を披露した。

撮影:荒川 潤

アンコールでは黒一色のロングコートに着替え、映画『ACRI』のテーマ曲で、もとはインストゥルメンタルだったものに詞を乗せたという「LEGEND~海原の秘密~」を披露し、コンサートは静かに幕を閉じた。地球の悠久の歴史に思いを馳せ、時に大海原に潜るような、ロマンチックで神秘的な演出。そして何よりソロイスト石井竜也のヴォーカルの魅力を存分に楽しめる唯一無二のショーであった。

撮影:荒川 潤

6月26日に大阪Zepp Nambaで行われた千穐楽公演の模様が、WOWOWプラスにて7月31日(日)19時より全曲ノーカットでテレビ初独占放送が決定。この大阪公演限定で披露した「はなひとひら」は必聴だ。表現者・石井竜也のメッセージを、是非この目で体験し、受け止めたい。

文=馬飼野元宏

この記事の画像

放送情報

『石井竜也 TATUYA ISHII CONCERT TOUR 2022「ISHYST」』
放送日時:7月31日(日)19:00~
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ

キャンペーンバナー

記事に関するワード

この記事をシェアする

関連人物

関連記事

関連記事