キム・ジェヒョン(N.Flying)が見せる恐怖演技！表現の幅の広さを証明したサスペンスホラー「オクス駅お化け」

近年、韓国発のウェブトゥーン作品の映像化が大きな盛り上がりを見せている。韓国のみならず日本でも大人気となったドラマ「梨泰院クラス」(2020年)をはじめ、現代社会の闇をエンターテイメントへ昇華させたホラーアニメーション「整形水」(2020年)や、韓国のヒットメーカーのヨン・サンホ監督による「地獄が呼んでいる」(2021年)など、多彩なジャンルで次々とヒット作を生み出している。そんなウェブトゥーン作品にJホラーの要素を追加した意欲作が、映画「オクス駅お化け」(2022年)だ。

8月7日(水)にＷＯＷＯＷシネマで放送される本作は、2011年にNAVERウェブトゥーンミステリー短編として発表され、当時1億を超える閲覧数と平均9.84/10点という驚異的レビューを獲得したウェブトゥーンが原作。Jホラーの巨匠と名高い「リング」シリーズ(1998年〜)の高橋洋が脚本に参加し、「貞子vs伽椰子」(2016年)で知られる白石晃士が脚本協力を務めた。韓国・ソウルに実在する地下鉄の駅を舞台に、戦後の日本で起きた寿産院事件をモチーフに加えて、韓国ホラーらしい生々しく残酷な描写と怨念渦巻くJホラー的な湿度を持つ、日韓合作のサスペンスホラーが完成した。

本作の主演は、韓国で社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ「SKYキャッスル～上流階級の妻たち～」(2018年)で注目を集めたキム・ボラ。ボラはバズらせることがすべての駆け出しの記者・ナヨンを演じた。同意のない記事掲載で訴えられたことで、閲覧数が稼げて広告の取れる記事を書こうとネタを探すナヨン。友人から廃駅で起きた人身事故の話を聞き出すが、取材を進めるうちに奇妙な出来事が起こり始める...。

情報を得て好奇心で輝いていた大きな瞳に少しずつ不安の色が滲むも、真相を追い続けるナヨン。若さゆえの無鉄砲さと甘さはあるが、パワハラ社長にも得体の知れない恐怖にも負けない逞しさや強かさを見せる。ボラは自然体で、真相に近づいていくタフな若手記者を好演した。

また、5人組バンド・N.Flyingのドラマー、キム・ジェヒョンが共演。ドラマ「君と世界が終わる日に」(2021年)での印象的な演技で日本でもブレイクしたジェヒョンだが、今作ではナヨンの友人・ウウォンを演じた。押しの強いナヨンに頼まれて取材に協力するも、恐ろしい出来事に巻き込まれてしまう。

肝の座った強さで立ち向かうナヨンとは反対に、仲間にふざけて脅かされるシーンや自分にも呪いが襲いくる場面でも、整った顔を崩して心の底から怯えて恐怖に震えるウウォン。自然なリアクションは共感を抱かせ、見ているこちら側の恐怖を増幅させる。ジェヒョンは本作で俳優として演技の幅の広さを見せた。

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