ハ・ジョンウが「テロ,ライブ」で発揮した圧倒的な存在感!阿部寛が演じた日本版の「ショウタイムセブン」との相違点

韓流・海外スター

「テロ,ライブ」 (C) 2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
「テロ,ライブ」 (C) 2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

佐藤健と小芝風花が共演した「私の夫と結婚して」や、安田顕と水上恒司がひりつくような演技合戦を見せた「怪物」、斎藤工が主演を務めた「誘拐の日」といった韓国ドラマが日本でリメイクされた今年。日韓での相互的なリメイクは近年活発になっている。

このトレンドはドラマ界に限らず映画界でも相次いでおり、岡田准一と綾野剛の共演により同名韓国映画を娯楽作として仕上げた「最後まで行く」(2023年)のヒットも記憶に新しい。この流れを汲む作品として今年2月公開の映画「ショウタイムセブン」と、その原作となった2013年の映画「テロ,ライブ」が、12月6日(土)にWOWOWシネマで放送される。

テレビ局のキャスターをある事情から降ろされたラジオパーソナリティーの主人公の元に、一本のテロ予告電話が届くところから始まり、ラジオの生中継中になんとかこの事態を切り抜けようと奔走する姿を描く...という大筋は韓国版も日本版も同じ。

日本版では阿部寛が国民的ニュース番組の元キャスター・折本を演じ、このテロ事件を独占でスクープし、番組キャスターへと復帰することを目論む男の狂人的な側面を色濃く出しながら、実は犯人の真の矛先は自分に向けられていたという日本版オリジナルの展開も。

また、裏の顔を抱えるニュース番組のプロデューサー役の吉田鋼太郎、かつて折本と共にスクープを連発した元相棒的存在のリポーターを演じた井川遥、折本の後を継いだ現メインキャスター役の竜星涼など、豪華な顔ぶれが緊迫のドラマを作り上げた。

阿部寛主演でリメイクされた「ショウタイムセブン」
阿部寛主演でリメイクされた「ショウタイムセブン」

(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会

原作となる韓国版で主人公を演じたのがハ・ジョンウ。「チェイサー」(2008年)、「お嬢さん」(2016年)、「神と共に」シリーズなど名だたる作品に名を連ね、最近では監督も務めた「The People Upstairs(英題)」(12月韓国公開)が注目を集めるなど、国民的俳優としてキャリアを積み上げている。

「テロ,ライブ」では「麻浦大橋を爆破する」という一本の電話をきっかけに事態に巻き込まれていく元キャスターのユン・ヨンファを演じ、汚職によって地位も妻も失った男が返り咲きを狙う野心的な顔やできる男の一面を表現。ニュース番組のプロデューサーに電話でスクープの独占放送や番組復帰を持ちかけながら、同時にテレビ出演のためにテキパキと髪を整える手際の良さなど、さりげない所作でキャラクターを説明する手際の鮮やかさには舌を巻く。

一方で、事態が進むにつれて自信に満ちた表情が曇るなど、ジョンウは次第にキャラクター像に人間味を加えていく。無理難題を押し付けてくる犯人への困惑や元妻のリポーター・ジスをはじめとする橋に取り残された一般市民の命が掛かった状況への焦りや苦悶を表現。

さらに、窮地にも関わらず犯人の要求に応じない政府に対するイラつきや、視聴率だけを追い求めるプロデューサーへの不審感など、キャスターとしての抑制を効かせながらも、言葉の節々や顔つきでさりげなく示して、ラジオブースという限られたシチュエーションで俳優としての実力を示している。

また、主人公の狂人性を通じて報道の姿勢やショーとしてニュースを受け取る視聴者のあり方を揶揄した日本版のクライマックスとは大きく異なり、ハードな肉弾アクションや悲劇的な展開といった韓国映画らしいエッセンスが盛り込まれた「テロ,ライブ」では、最後にある究極の行動を取る主人公ヨンファ。映画を通じて報道や政府への不信感を描くと同時に、主人公が人間性を取り戻していくというヒューマンドラマの側面も盛り込まれている。

共にエンタメ色の強いシチュエーションサスペンスでありながら、個性が感じられる「テロ,ライブ」と「ショウタイムセブン」。両作が立て続けに放送されるこの機会に、相違点を見比べながら楽しんでみてはいかがだろうか。

文=HOMINIS編集部

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放送情報

テロ,ライブ
放送日時:2025年12月6日(土)21:50~
ショウタイムセブン
放送日時:2025年12月6日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
こちら

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