近年、映画・ドラマの多様化が進み、映画館や地上波放送ではお目にかかれないような尖った作品が数多く製作されている。過激な暴力やお色気、あるいはニッチな題材を扱っているものも多いが、そんな作品たちと一線を画し、違った方向で尖っているのが、1月14日(月)から日本初放送されるドラマ「刑事★コムラッド 〜同志に別れを〜」だ。
本作は、1980年代ルーマニアで製作され人気を集めていたが、ベルリンの壁崩壊と共に歴史の片隅に追いやられてしまったプロパガンダドラマに、デジタルリマスター処理と英語の吹き替えを施した作品。...というのはもちろんウソで、そのような触れ込みのもと、新たに製作されたブラックコメディとなっている。
舞台は冷戦下のルーマニアの首都ブカレスト。時の米大統領ロナルド・レーガンのマスクを被った謎の人物に同僚を殺された共産主義者の刑事コンビ、グレガーとジョセフが、事件を調査していくうちに、自国を転覆させるような西側諸国の巨大な陰謀と対峙していくというストーリーだ。
このドラマの何が狂っているかというと、ブラックジョークの徹底ぶり。出てくる俳優はルーマニア人で、話すのはもちろんルーマニア語。それを英語に吹き替えるという手間のかけようには脱帽させられる。さらに本編が始まる前には、映画『マジック・マイク』などで知られ、本作の製作総指揮を務めるチャニング・テイタムが登場。このドラマのマスター映像を手に入れ、リマスター処理と吹き替えを施し...と説明する映像までわざわざ差し込まれており、思わず信じてしまいそうになるほど、それっぽく見せているのだ。
さらに驚きなのが、冗談だと思ってしまうほど豪華すぎる声優陣。チャニング・テイタムのほか、『(500日)のサマー』のジョセフ・ゴードン=レヴィット、現ボンド俳優のダニエル・クレイグ、『L.A.コンフィデンシャル』のキム・ベイシンガーといったハリウッドのビッグネームが集結している!
そんなツッコミどころ満載の本作だが、プロパガンダドラマの体をなしているため、中身はなかなか強烈。物語は共産主義に傾倒する刑事コンビの視点から語られ、アメリカ人や資本主義を痛烈に皮肉ったギャグや、宗教をネタにしたセンシティブな話題など、多方面から怒られてしまうのでは?と観ているほうが心配になるようなダークな笑いがてんこ盛りになっている。
米GQ紙からも「最もクレイジーな番組!」と評された「刑事★コムラッド 〜同志に別れを〜」。全力の悪ふざけによって成立しているブラックジョーク満載の新感覚ドラマを、ぜひ味わってみてほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報
刑事★コムラッド 〜同志に別れを〜
放送日時:2019年1月14日(月)22:00~
チャンネル:AXN 海外ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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