伝説のロックバンド、クイーンのフレディ・マーキュリーにスポットを当て、日本でも興収130億円を突破するメガヒットを飛ばした2018年の映画『ボヘミアン・ラプソディ』。この作品が10月18日(金)にスターチャンネル1にて放送される。同作でフレディを演じたラミ・マレックは、クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、ウィレム・デフォー、ヴィゴ・モーテンセンといった、そうそうたる名優たちを抑えて、第91回アカデミー賞で主演男優賞を獲得した。
ラミ・マレックは、1981年5月12日生まれの38歳。アメリカ・カリフォルニア州ロサンジェルス出身で、エジプト人の両親のもとに生まれた。いくつかのテレビドラマに出演したマレックは、ベン・スティラー主演の『ナイト ミュージアム』シリーズに登場するエジプト王アクメンラー役で注目を集める。
その後も数々のテレビ、映画に出演してきたが、2015年のドラマ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」シリーズで天才ハッカー、エリオットを演じ、エミー賞主演男優賞を獲得。そして今回の『ボヘミアン・ラプソディ』でアカデミー賞主演男優賞に輝き、名実ともにトップ俳優の仲間入りを果たした。
もともとフレディ役には、サシャ・バロン・コーエンやベン・ウィショーといった個性派俳優たちが担当するといったニュースが報じられては消え、ということが繰り返されており、その行方が注目されていたが、紆余曲折あって「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」シリーズで注目を集めていたラミがフレディ役をやることになった。
本作の撮影監督ニュートン・トーマス・サイジェルは、DVDに収録されたインタビュー映像で「不思議なことに2人の写真を並べるとそれほど似ていないんだ。でもレンズを通すとラミの力が発揮されるんだ。衣装を着て、メイクをした彼はまるでフレディが生き返ったかのようだよ」と指摘する。ラミはどのようにしてフレディになったのだろうか。
ラミが助けを求めたのは「ムーブメント・コーチ」のポリー・ベネットだった。彼女のアプローチは、まずフレディの細かいクセや特徴を一通り自分の中に取り入れて、それを自分の中でかみ砕いた上で肉体が自然に反応するように指導するものだった。「動作は人そのもので、歩んだ道が現れるものだから」と語る彼女は、ラミに「なぜそこでフレディはそう動くのか考えなさい」と言い続けたという。
そして2人はフレディのインタビュー映像を分析した。「彼が答えたくない質問にどう反応するか。ハッとした時や笑う時の様子など、夢中で観たよ」と言うラミ。さらにフレディが得意だったボクシング、長距離走、ゴルフといったスポーツ、そしてフレディが影響を受けたジミ・ヘンドリックス、デヴィッド・ボウイ、ライザ・ミネリといったアーティストたちも観察対象、分析対象になったという。そんなアプローチ方法にラミも「ポリーの指導は自分に自信をつけさせてくれるし、その分、演技を大きくレベルアップさせてくれるんだ」と満足気に語る。
もちろん衣装、ヘアメイクなど、優秀なスタッフたちが力を合わせてフレディの外見を作りあげたことが役作りに大きく寄与したことは間違いない。クイーンのギタリスト、ブライアン・メイも「ラミはフレディーのほとばしるパワーだけでなく、傷つきやすさまで捉えていた」と絶賛する。まさにフレディの魂に触れるような演技が本作では感じられるはずだ。
文=壬生智裕
放送情報
ボヘミアン・ラプソディ
放送日時:2019年10月18日(金)21:00~
チャンネル:スターチャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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