シムクン♥韓流|今月は"兵役中に特殊部隊を経験し、筋肉質な体がセクシー"なイ・テガンさん登場『韓流ザップ』

イ・テガンさん登場!気になる韓国の兵役のお話をお聞きしました!

14年3月~15年12月まで兵役についていた経験を元に、日本で『韓国の兵役事情』を伝える講演会を行っていらっしゃるそうですね。

兵役って日本人には馴染みのないものなので、僕たちが軍隊の中でどんな生活をしているのか、兵役で何を得られるのかを知っていただきたくて始めました。今までに東京で3回やりましたが、おかげさまで好評なので、今後は全国を廻っていきたいと思っています。

そうなると、肩書きが必要になってくるのでは? 軍隊ドルとか、どうでしょう?

アイドルの歳ではないので......(苦笑)

じゃあ、軍隊アニキ?

ダサいですね(笑)何かいい愛称を考えておきます。

陸軍第8師団の特殊戦車部隊に配属されていたそうですね。どんな部隊ですか?

おもに戦車を扱う部隊で、戦車の運転をしたり、戦車を使った戦術を練ったり、実弾を撃ったりします。一般的な部隊より訓練がきついことで有名です。

なぜ、そんな辛い部隊に配属となったのでしょうか?

まず、入隊をすると新兵訓練所で『基礎軍事訓練』を行います(陸軍は5週間)。その時に僕の"負けず嫌い"の性分が出てしまって(笑)同期30人の中で1位の成績を取って、今の部隊からスカウトを受けました。どうせやるんだったら、とことんやってみようと思い、意気揚々と配属先に向かったのですが、部隊に到着して3時間で後悔しましたね。「どんな新入りが来るのか」という先輩たちの目が怖いし、空気もピリピリしていて「これは大変なところに来てしまった」と思いました。さらに、先輩たちから「いくつなんだ」と聞かれたので、「(数え年で)30です」と答えると、場が凍ってしまって......。「これからどうなるんだ」と頭を抱えました。

韓国社会は"歳"を重要視しますが、軍隊内では階級が全てです。自分より年下なのに階級は上、という微妙な関係もあったと思いますが。

そうですね。1ヶ月でも先に入った人が先輩なので、いくら年下でも敬語を使わなくてはいけません。でも、1年も過ぎるとみんな仲良くなって、教官がいないところでは「ヒョン(韓国語でお兄さんの意味)」と呼んでくれる子もいましたね。

19歳にタメ口聞かれたら気分が悪いかも。

初めは慣れませんでしたが、軍内では彼らの方が僕よりもできることも多いし、軍生活が長いだけあってしっかりしていて、だんだんお兄さんに見えてきました。19歳の兵長に褒められて、「よっしゃ! もっと頑張ろう」って思ったり(笑)

具体的にはどんな訓練をしていましたか?

部隊によって違うのですが、僕たちは月に1、2回野外訓練がありました。戦術訓練の場合、朝6時に起きて、山に行き、戦車のメンテナンスをして、戦車の動きを確認したり、戦術を練ったりします。最後に戦車のメンテナンスをもう一度して夕方5時に一日が終わります。射撃訓練の日は、鉄砲を組み立てて、実弾を使って射撃練習をします。これはどの部隊でもやることなので、軍隊に行った韓国男子はみんな実弾が打てます。泊まりの訓練もよくありましたね。泊まりの訓練で辛かったのは、顔が洗えないこと。おかげで年中肌荒れがひどかったです。

現代っ子らしい悩みですね。

おもしろいのは、たまに訓練で畑に行くと、農家のおばちゃんに会うんです。おばちゃんなのに、みんな綺麗に見えて!

男だらけの生活ですからね。

そうなんです。だから、ガールズグループが慰問公演に来た時なんか大変です。みんな発狂していました。

どんなガールズグループが人気でしたか?

EXIDですね。当時、まだ大衆的な人気はなかったのですが、軍人たちのあいだでは、神でした。「up&downを歌った時には、軍人全員で『ウィアレ!ウィウィアレ!』と叫びながら、両手を上げたり下げたり。もちろん僕も全力でやりました。

楽な部隊もあるんですか?

訓練が年に1、2回しかない部隊もあります。楽ではありますが、淡々とした日常生活が続いてやることがないと、人っていじめに走ったりするんです。そういう精神的な苦痛がありますね。

訓練以外の時間は何をしていましたか?

訓練が終わった5時から7時まではインターネットが使えるので、ブログを更新したり、ネットサーフィンをしていました。あとは、本を読んだり、日本語の勉強をしたり。日本語の本は400冊以上読んだと思います。

向上心がありますね。

軍隊って、中でどう過ごすかによって全然充実度が違うんです。ただ2年間を無駄に過ごす人もいれば、それまでの自分の人生を振り返ったり、その時しかできないことを探したり、努力する人もいる。例えば、2年間英語の勉強をして完璧に身につけて除隊する人もいます。軍隊での生活を見ていると、「この人は社会に戻っても大成するな」とか「成功するな」というのがわかりますね。

軍隊で出会った仲間たちとは今でも交流がありますか?

そうですね。仲間が東京に来るとご飯をおごったりしていますよ。

訓練中、どうやって仲間と親睦を深めていましたか?

おしゃべりが多かったかな。自分の経験の話とかもしますが、だいたいが恋人の自慢とか、好きなガールズグループの話とか、女子関係の話をしていました。

兵役中、芸能界での日々を思い出したりしていましたか?

毎日思っていましたよ。ファンのみんな元気かなとか、この仕事は楽しかったなとか。除隊したらこんなことがしたい、こんなことをしようと未来について考えることも多かったですね。

最後に。今、たくさんの芸能人が兵役についています。ファンの皆さんが彼らにできることはなんだと思いますか?

ただ信じて待っていてくれれば、それで十分だと思います。部隊に手紙やプレゼントを送ってくれるのもありがたかったですが、けた違いのファンがいる芸能人だと、そのせいで部隊の仕事が回らなくなってしまって、かえって気を遣わせてしまうこともあるかと思います。だから何かを送るというよりも、忘れずに待っていること、それが一番の応援だと思います。インターネットは見られるので、公式HPに応援メッセージを書き込むとかも、力になるのではないかと思います。

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

取材・文:酒井美絵子

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聖心女子大学卒業後の2001年に渡韓。韓国外国語大学大学院在学中の2002年から、韓国から日本に輸出されるK-POP紹介番組などに出演。2004年からは日本の韓流ブームに乗り韓流雑誌への寄稿を開始。その後、出版・テレビ・映画といったメディア業界を中心に、ライター、コーディネーター、翻訳家として日々活動中。
2016年4月からは、BSスカパー!(BS241)で放送中の『韓流ザップ』で「天の声」を担当。


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