日本でも高視聴率を叩き出した、古沢良太脚本のリーガルコメディ「リーガル・ハイ」が韓国でリメイク。KNTVにて12月27(金)より日本初放送される。高額報酬のためならどんな裁判も引き受ける天才弁護士コ・テリムと、正義感は人一倍強い女性弁護士ソ・ジェイン(ソ・ウンス)という凸凹コンビは、日本のオリジナルと同じ設定で何とも興味深い。
そんな自他ともに認める"金の亡者"のテリム弁護士を演じるのは、「太陽の末裔 Love Under The Sun」(2016年)で注目を集めた人気俳優チン・グ。超早口で法律用語をまくしたてるハイテンションな演技は、果たして韓国版でも健在なのか...?笑いにあふれた現場だったという撮影の裏側やその見どころを、主演のチン・グがたっぷりと語ってくれた。
――今作の見どころを教えてください。
「原作(=日本版のドラマ)と比較しながらご覧いただく面白さもあると思います。私自身も原作が大好きでシーズン2も見たのですが、シーズン2が2013年に放送されたので、6年ぶりの復活となります。撮影セットなどが少し現代化されたと思うので、そのような面を比較したり、韓国の俳優たちの演技が原作とどのように違うか、内容がどのように変わったか...そういったところも楽しみに見ていただけたら。法律ドラマですが、気楽に楽しんでご覧いただけるのが一番の見どころだと思います」
――リメイク作ということでプレッシャーはありませんでしたか?
「プレッシャーは相当ありました。もし私が原作を見ておらず、日本の俳優たちやドラマのシステムを知らない状態だったら負担が少なかったかもしれませんが、既によく知っていますし、またとても好きなドラマで、大好きな俳優が演じた役を私が演じるというのは、演技者としてはもちろん、いち人間としてもプレッシャーを感じていました。その反面、とてもファンだったので、私以外の誰かが演じるのは受け入れられませんでした。たとえ批判されたとしても私が演じてやる、私じゃなければ誰がやるんだ、という気持ちで飛び込みました!」
――制作発表会で日本の原作ドラマのファンとおっしゃっていましたが、原作の参考にした部分は?
「私たちのドラマは原作のキャラクターと差別化しなければ...というところから始まっています。そのため毒舌な言葉を言ったり、内容的なことは似ていますが、服装や行動は原作より幼くなり、よりコメディ色が強くなっていると思います。それが良かったかどうかは私が判断することではないと思いますので、視聴者の皆さんにご判断いただければと思います(笑)」
――チン・グさんといえばこれまではクールな役柄が多かったですが、コミカルな演技にためらいはありませんでしたか?
「ためらいはありました。好きな作品をリメイクすることになった緊張感のように、今まで着てこなかった服を着るのですから、ちゃんと合うのか怖かったです。ですが、俳優という職業をもつ人なら、できないことはないように"ジャンル不問"でいなければならないと思っています。もちろん得意・不得意のジャンルがあるとは思いますが、いつかはやらなければならないことだと思ったので、果敢に挑戦しました」
――テリムに共感できた部分、逆に理解できなかった部分は?
「共感できた部分は、勝負欲ですかね。全ての人は勝つことが好きで、負けるのを好む人はいないじゃないですか。コ・テリムの必ず勝つんだという勝負欲は私とよく似ていると思います。ただ、私自身はテリムのような手段と方法を選ばないというまでではないので、そこはちょっと異なる点かなと思います。それから、テリムのツンデレ的な部分は、これまで私が演じてきた役柄と似ている部分もあります。テリムは人前では手伝わないフリをして毒舌を吐いていますが、陰では手伝ってあげたり、助けになる裁判を担当したり、外面とは違う内心の部分は似ている部分があると思います」
――テリムの髪型が印象的でしたが、これはチン・グさん自身のアイデアですか?
「ヘアメイクの方と私とで、一緒に考えて作りました。ヘアメイクさんが3つほど案を持ってきてくださったのですが、私に似合いませんでした。キャラクターとは合うかもしれませんが、ドラマ全16話の間、そのヘアスタイルを続ける自信がありませんでした。長時間、美容室に座って悩んでいた記憶があるのですが、暑くて大変だったので頭をグシャグシャともつれさせたんですね。その時に、あの形になったんです。それをきれいに固定してみようとなって、フック型の髪型になりました。監督に見せたら気に入ってくださって、私も気に入りました。テリム役以外であんな髪型にできることもないですしね(笑)」
――コミカルなシーンが多い作品ですが、笑ってしまってNGが出た場面はありませんでしたか?
「テリムのコミカルなシーンで笑ってしまったことは一度もありませんでした。面白いと思うと演技ができなくなってしまうスタイルなので。本当に面白い状況って、その人は笑わそうとしているわけではないのに、ひょんなことから自然に面白い状況になった時にみんなが笑うじゃないですか。ですからテリムを演じるときはとても真剣だと考えながら、『これは面白いことじゃないのに?』と図々しく演じていました。なので、自分のシーンの時は笑うことはありませんでした。相手役のチョン・サンフン先輩やソ・ウンスさんにはたくさん笑わされましたが、NGが出るほどではなくリハーサルの時にたくさん笑いました(笑)。撮影をしながらあんなに楽しく笑ったのは、今回が初めてだったと思います」
――笑いにあふれた撮影現場だったようですね。
「はい。台本自体にコミカルなシーンが多いので、スタッフたちも期待して撮影現場に来ていました。もちろん100%満足させることはできませんが、10シーンの内7シーンくらいは、カットがかかればみんな笑っていた記憶があります」
――日本のドラマは普段からご覧になるのでしょうか?共演したい日本の俳優がいれば教えてください。
「今年はあまり見られていませんが、昨年まではたくさん見ていました。まず一番に、好きな俳優は木村拓哉さんです。また、原作の『リーガル・ハイ』に出演している堺雅人さん。『闇金ウシジマくん』や『世界の中心で、愛を叫ぶ。』の山田孝之さん、男性だとこの3名の方と共演してみたいです。
女優さんで最初に好きになった方は、松たか子さんと竹内結子さんです。それから『H2~君といた日々』に出演していた石原さとみさんですね。『H2』は原作の漫画も元々とても好きで、期待して見ました。その時は高校生のように幼く見えたのですが、今ではとても人気なトップ女優になっていますね。共演してみたいと言うだけは自由ですからね(笑)」
――「リーガル・ハイ」がチン・グさんに残したものは?
「"人間の能力は無限だ"ということです。これは絶対ダメだと思っていたことが全てできましたし、振り返ってみればそれが今の自分の良い養分になっていて、良い経験だったと思っています。今はまだ、何でもぶつかってみればいい、1歳でも若い時になんでもたくさんやってみるのが良い、ということを感じさせてくれたドラマです。それから今までやってきた作品もそうですが、今回も素晴らしい人たちに出会う機会をくれたと思うので、とてもありがたく思っています」
文=HOMINIS編集部
放送情報
「リーガル・ハイ(原題)」インタビューSP
放送日時:2019年12月24日(火)22:45~
リーガル・ハイ(原題)
放送日時:2019年12月27日(金)20:50~
※毎週(金)20:50~(2話連続放送)
チャンネル:KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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