静と動を見事に操る圧巻のパフォーマンス！BTSの"深化"を辿るヒストリー

1999年に前身の「Mnet映像音楽大賞」としてスタートし、2009年に現在の音楽授賞式「Mnet Asian Music Awards(以下、MAMA)」に生まれ変わってから10年――2019年12月4日に愛知・ナゴヤドームで開催された「2019 MAMA」を象徴する"主役"だったのが、圧巻の9冠に輝いたBTSだ。今や向かうところ敵なしの最強グループ・BTSのパフォーマンスを、MAMAの歴史と共に振り返ってみたい。

まず2017年のBTSは、ミニアルバム『LOVE YOURSELF 承'Her'』がグループ初のミリオンセラーを記録。全米アルバムチャート「ビルボード200」でも7位にランクインし、「Billboard Music Awards」初参加＆韓国グループ初の「Top Social Artist賞」を受賞するなど、世界を股にかけて華麗な活躍を遂げた1年だった。

年末に開催された「2017 MAMA in Hong Kong」でも頭一つ抜けたステージで会場を圧倒。彼らの登場前からMCの声が聞こえないほどの大歓声に包まれ、ノンストップで「Not Today」「DNA」「BTS Cypher 4」「MIC Drop」を展開した。ド頭から超クール＆正確に揃ったダンスで興奮は頂点へ。さらにフォーメーションを次々にチェンジしながら魅せる運動量の高いパフォーマンスは、さながらアスリートのようで、同年大きなインパクトを残したアグレッシブなダンス曲「MIC Drop」まで駆け抜けた後は、限界をとうに越えた彼らの汗びっしょりの表情や、手すりに捕まりながら移動するほど消耗した姿が観覧者に多数目撃されている。

「2017 MAMA」のみならず、この時期は「今が勝負の時！」と言わんばかりにワンステージに全力を捧げて踊り切るパフォーマンスが見る者の胸を熱くさせた。

大トリを務めた翌年の「2018 MAMA」では、すでにワールドクラスの活躍をしていたBTSの存在感が別格。同年新設の"ファンに最も愛されたアーティスト"の称号でもある「Worldwide Icon of the year」など、各賞を総なめにした。

さいたまスーパーアリーナで行なわれた「2018 MAMA FANS'CHOICE in JAPAN」のステージでは、1曲目「FAKE LOVE」からドラマティックなボーカルとストーリー性のあるダンスで芸術的な世界に引き込み、「ANPANMAN」では会場が一体となって大盛り上がり。同年11月の初の東京ドーム単独公演でも感じたことだが、2018年は静と動を見事に操る堂々としたステージと表現力に一層磨きがかかり、王者の貫禄十分！のパフォーマンスにクギづけとなった。

そして「2019 MAMA」の賞レースでも圧倒的な強さを見せたBTSのステージは、初期から現在までを網羅する珠玉のメドレーに観客が大熱狂！宇宙や廃墟の学校など大掛かりな舞台演出で驚かせ、ドームの天井にまで届きそうなほど大蛇のオブジェの下で披露した、ギリシャ神話をモチーフにした「Dionysus」も至高。よりエンタテインメントに、そして、まるでショーのような見せ方への深化も舌を巻いた。

そんなBTSの「MAMA」でのベストパフォーマンスが一気に見られる特別番組がMnetで放送される。たった数年で驚くほど洗練され、何十倍いや何百倍ものスケール感を漂わせるようになったBTS。いかにして音楽アワードを席巻する現在のようなグローバルスターへと飛躍していったのか？その理由を、ぜひMAMAの歴史と共に辿ってみてほしい。

文＝川倉由起子

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