緻密な時代考証に基づいた重厚なドラマや、時空を超えて見事に再現された舞台セットに艶やかな韓服など、現代劇にはない要素で固定ファンから根強い人気を誇っているのが韓流の時代劇だ。この話題作がひしめく人気ジャンルの中で、2019年最も注目を集めたといっても過言ではないのが、1月31日(金)に衛星劇場にて第1話が先行放送される「ノクドゥ伝(原題)」だ。
"次世代イケメン俳優"の呼び声も高いチャン・ドンユンと、韓国で"時代劇女神"と評されるキム・ソヒョンが共演するとあって、放送前から高い注目を集めていた「ノクドゥ伝」。男子禁制の"未亡人村"へ潜入するため、未亡人になりすましたノクドゥと妓生見習いのドンジュが同居したことから、予測不能な恋へと発展していく。知性・容姿ともに優れていながら、離れ小島で身分を隠しながら生きてきた青年ノクドゥは、どこか謎めいていて惹きつけられる要素満載のキャラ設定なのだが、その中でも特に注目を集めたのが、劇中でチャン・ドンユンが見せる美しすぎる女装姿だ。
韓流ドラマにおいて、これまで女装男子が登場するコメディは多々あるものの、時代劇では、「トキメキ☆成均館スキャンダル」(2010年)のキム・ユニ(パク・ミニョン)や「輝くか、狂うか」(2015年)のシンユル(オ・ヨンソ)、さらに「雲が描いた月明り」(2016年)のラオン(キム・ユジュン)など、どちらかといえば"男装女子"が登場し、相手役との恋物語に深みを与えてきた良作が実は多い。そんな中、近作では元Wanna Oneのパク・ジフンが演じた「コッパダン(原題)」(2019年)のコ・ヨンス役のように、"女性よりも美しい"という設定の美男子キャラクターが続々誕生。もはやラブコメ時代劇では必須といわれるほどかもしれない。
そんな韓流時代劇において、新機軸ともいえる"女装男子"を見事に体現したチャン・ドンユン。彼の中性的かつ端正な顔立ちが化粧映えすることに加えて、艶やかな長い髪は女性と見まちがえても不思議ではない麗しさ...。さらに彼の華奢なボディラインも、その女装に一層の説得力を与えている。
その一方で外見だけに留まらず、未亡人になりすました彼の声も、わざとらしくならない絶妙な発声が活かされている。一瞬を切り取る写真であれば、念入りなメイクや髪型、艶やかな扮装でごまかせるかもしれないが、チャン・ドンユンの女装は、繊細な表現力や所作があってこそ。武芸にも優れ、実は男らしいノクドゥの"素顔"とのギャップも萌えポイントで、それゆえに女装姿のチャーミングさがより際立ってくるのだ。
2016年のデビュー以来、これといった代表作のなかったチャン・ドンユンの大出世作――"女装男子"という新機軸で、これまでに感じたことのないトキメキや笑いを生んでいる「ノクドゥ伝(原題)」の大ヒットで、韓流時代劇に今後、女装男子が続出するかもしれない...?
文=スズキヒロシ
放送情報
ノクドゥ伝(原題) 第1話先行
放送日時:2020年1月31日(金)21:15~
※レギュラー放送は、2月14日(金)より毎週(金)23:00~(2話連続放送)
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
詳しくはこちら