2019年3月に除隊し、早々にInstagramを開設し注目を集めたイム・シワン。俳優として着実にキャリアを築き上げてきた彼は、約20ヶ月に及んだ現役服務を経て、日本のファンクラブを発足させるなど、精力的に活動を再開させている。そんなシワン自身にとってもファンにとっても、待望の"カムバック"となる作品が、人気俳優イ・ドンウクとの共演でも話題を呼んだ「他人は地獄だ(原題)」だ。
2010年、ボーイズグループ・ZE:A(ゼア)でデビューしたシワン。日本進出も果たし、アイドル的な人気を集めたものの、歴史ドラマ「太陽を抱く月」(2012年)の出演を機に、俳優業に軸足を移行。ステージで培われた凛とした存在感だけでなく、初のドラマ出演とは思えない安定した演技を披露し、俳優としてのポテンシャルの高さを見せつけた。
そんなシワンの代表作として今でも高い人気を誇るのが、主演作「ミセン-未生-」(2014年)だ。彼が演じたのは、プロ棋士として将来を嘱望されながらも挫折し、26歳で大手総合商社のインターンとなる主人公チャン・グレ。学歴も社会人経験もろくにない状態で入社した彼が、囲碁で培った洞察力とひたむきな努力で厳しい競争社会を渡っていく様は多くの視聴者の共感を呼び、社会現象を巻き起こすほどの人気作に。
また、「ミセン-未生-」と同年に韓国で公開された『弁護人』でスクリーンデビューを飾ったシワンは、不当逮捕された青年を熱演。劇中には取り調べの名を借りた"拷問"とも言えるシーンも登場するが、その体当たり演技は、世界的名匠ポン・ジュノ監督の"盟友"としても知られるソン・ガンホも絶賛したほど。実際に、本作は韓国の名立たる映画賞でも高評価を受け、シワンの名は"演技もできるアイドル"として広く認知されていく。
そして兵役前に主演した時代劇「王は愛する」(2017年)では、知性と行動力も兼ね備えた王子ワン・ウォンを演じ、少女時代のユナ扮するヒロインとロマンスを展開。現代劇で見せる自然体の演技とはまた違う、カリスマ性にあふれたその佇まいは、多くのファンをときめかせ、その人気を確実なものへと高めていった。
そんなシワンの除隊後初の復帰作「他人は地獄だ(原題)」の第1話が、Mnetにて2月2日(日)深夜より放送される。シワンが演じるのは、古びた考試院(コシウォン※元々は受験生の勉強部屋として使われていた簡易宿泊施設)へと引っ越してきた作家志望の青年ジョンウ。薄暗く不気味な空気が漂う館内は、住人たちも一風変わった面々ばかり...。奇妙な隣人たちと関わるうちに、やがて恐ろしい事態に巻き込まれていく。従来の韓国ドラマになかった不気味な映像やスリリングな展開の数々は、シワンにとっても挑戦そのもの。隣人たちに怯えながらも、次第に持ち前の負けん気を発揮する主人公の姿に、次第に感情移入させられてしまうのだ。
さらに本作で、シワンと共に主演を務めるのは、"頼れる兄貴"という印象で好感度の高い"兄貴"ぶりを見せたイ・ドンウク。ドラマオリジナルのキャラクターである歯科医のムンジョに扮した彼は、見る者をゾッとさせる不穏な笑みを湛えた怪演ぶりを発揮。端正なマスクの裏に隠れた本性をチラつかせながら、ジョンウを不気味に追い詰めていく様は...本当にコワい!
韓流ドラマとしてはレアな新感覚スリラー「他人は地獄だ(原題)」で、時に"ストーリーテラー"のような役割も果たし、恐怖体験へと誘いながら共感を呼び起こさせるジョンウ役は、確かな演技力が要求される難役。多くの注目が集まる除隊後復帰作として本作を選んだシワンの意気込みを感じながら、その新境地にぜひ触れてみてほしい。
文=スズキヒロシ
放送情報
他人は地獄だ(原題) 第1話先行
放送日時:2020年2月3日(月)0:00~
※レギュラー放送は、2月21日(金)より毎週(金)(土)22:00~
ミセン-未生-
放送日時:2020年2月19日(水)19:30~
※2話連続放送
チャンネル:Mnet
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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