地上波初主演にして、"クルミ(雲が)"シンドロームを巻き起こした自身最大のヒット作「雲が描いた月明かり」(2016年)で一躍トップスターへと駆け上がったパク・ボゴム。その後も俳優として順調なキャリアを築く一方で、人気音楽番組「ミュージックバンク」(2015年5月1日~2016年6月24日)では如才ないMCで存在感を発揮するなど、幅広い活躍を見せてきた。
日本でもその人気は高く、2019年3月にはシングル「Bloomin'」で待望の歌手デビュー。プロモーションの一環として登場した期間限定ポップアップストアや、デビュー日に「Bloomin'」発売記念スペシャル上映会が行なわれた新宿のユニカビジョンには多くのファンが詰めかけるなど、大成功を収めた日本デビューでの反響はまだ記憶に新しい。
それから約1年――しばしの沈黙を破り、3月18日に全11曲入りの1stアルバム『blue bird』をリリース。タイトルは、ボゴム自身が「希望と幸福を表現したい」と、童話「青い鳥」からインスピレーションを得て名付けたもの。リードトラック「Dear My Friend」は、自分の大切な友(=愛する家族や友人、ファン)に向けて描かれた穏やかなナンバーで、その真摯な想いを表現するべく、真心たっぷりに歌い上げるボーカルが耳に残る。
本人が作詞にチャレンジした新曲「空を見上げてごらん」は、ファンへの愛情を表現した美しいバラード。サビの広がりのあるボーカルワーク、メリハリの効いたドラマティックな歌い回し...そんなボゴムの優しい人柄がにじみ出たような、温かく包まれる歌声には大きく胸を揺さぶられたことだろう。
自らピアノ伴奏し、新たな編曲を加えた日本デビュー曲「Bloomin'」のアコースティックバージョンも必聴だ。音数がシンプルになったぶん、甘く伸びやかな歌声や繊細な息遣いが際立ち、オリジナルとはまた一味異なる楽曲の魅力に浸ることができるのだ。
「Bloomin'」は"距離は遠く離れていても、気持ちを一つにして、ぼくたちの花=曲を一緒に育て咲かせていこう"という想いを込めたメッセージソングだが、改めて、その"心"を伝えてくれているようで胸がジーンとさせられてしまう。
幼少期からピアノを練習し、大学でも演技だけでなく音楽を学ぶなど昔から歌手への憧れが強かったボゴム。その熱意を活かして臨んだ「ミュージックバンク」MCという大役では、曲紹介の合間に口ずさんだり、ダンスを踊ったり...と"音楽大好き"な様子にファンも急増。レギュラーMCを卒業した後も、K-POPを海外に広めるために番組が開催する海外公演のMCとして起用されており、KBS Worldにて5月24日(日)より放送される最新公演「ミュージックバンク in香港」にも、TWICEのダヒョンと共に楽しいトークを繰り広げている。
これまでも音楽に対して真摯に向き合い、情熱を注いできたボゴム。そんな彼が想いを込めた歌声には、今までの努力や足跡が裏付けるように、音程やピッチの安定感といった技術的なポイントはもちろん、表現力、説得力も備わっている。さらには、誠実で人を深く思いやる"人間性"までもがストレートに伝わってくる。だから私たちは彼の声を求め、何度だって聴きたくなるのだ。
文=川倉由起子
放送情報
ミュージックバンク in香港
放送日時:2020年5月24日(日)17:25~
チャンネル:KBS World
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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