"奇跡の美貌"キム・ヒエが次第に暴走...専門CHならではのドロドロ不倫劇にハマる理由

「愛の不時着」「梨泰院クラス」など、現在旋風を巻き起こしている韓流ドラマ。2003年に日本放送され"第一次韓流ブーム"を巻き起こした「冬のソナタ」以来、根強いファンに長らく愛され続けてきたが、今回のステイホーム期間中に続出した"韓流ドラマ中毒"ともいうべきムーブメントでは、これまでファン層でなかった若者たちからも人気を集めている。

■地上波にはない独自の色を持った作品がブームを牽引

この異例ともいえるムーブメントの特徴は、これまでヒット作を多数生み出してきたKBS、SBS、MBCといった地上波ではなく、専門チャンネルが制作したドラマが話題を集めているという点だ。地上波放送の番組よりも表現の制約を受け難く、過激な暴力や性描写が盛り込まれていたり、韓国発のウェブトゥーン(WEB漫画)を原作とした豊かな世界観、世相に切り込むような社会性を帯びたテーマ性など、刺激的な作品群を世に送り出している。

「愛の不時着」や「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」のロマンス系から、「ミスター・サンシャイン」「100日の郎君様」といった時代劇まで幅広いジャンルをカバーし視聴率上位を独占してきたトップランナーのtvN、日本でリメイクもされた「ボイス」シリーズに代表されるミステリーやスリラーに重きを置いたOCN...といった具合に各局が独自の色を持っている。

■攻めの姿勢を貫き大ヒットを記録した「夫婦の世界(原題)」

そんな中で、今最も勢いに乗っているチャンネルの一つがJTBCだ。青春物語に復讐の要素をミックスした「梨泰院クラス」や、富裕層たちのドロドロした世界を描いた「SKYキャッスル～上流階級の妻たち～」など、中毒性の高い良作を次々と世に送り出し、2011年に設立されたばかりのチャンネルながら、近年視聴率ランキングの上位に食い込んできた。

このJTBCの勢いを象徴する最新作が、韓国・非地上波局ドラマの歴代1位であり、首都圏基準の最高視聴率では31.7％という驚異的な数字を残した「夫婦の世界(原題)」だ。

7月10日(金)よりKNTVで日本初放送が開始される本作は、イギリスのヒットドラマ「女医フォスター 夫の情事、私の決断」をリメイクし、夫の浮気を知った女性の復讐劇を描く。郊外で家庭医学専門医として働くソヌは順調なキャリアを築き、家庭では愛する家族に囲まれ幸せな日々を送っていたが、ある日、1本の髪の毛から夫・テオが若い女性・ダギョンと浮気していることを知ってしまう。

さらに近所の人など、自分以外にはこのことが周知だったことに動揺するソヌ。そんな彼女の前に体の不調を訴えるダギョンが来院すると、彼女の妊娠が明らかになり、ソヌは復讐を決意することに...。

あらすじだけでは、韓流ドラマでも定番の不倫ものという印象だが、本作が話題を集めた理由は、日本のR-18指定に相当する"19禁"に指定されながらも、愛が憎しみへと変わっていく様子をディテール豊かに、生々しく描写したこと。暴力シーンを一人称視点で演出するなど過激な描写の数々からは、専門チャンネルならではの攻めの姿勢を窺うことができる(日本放送ではPG12指定)。

■圧巻の美貌＆演技で復讐劇を演じたキム・ヒエ

この壮絶な復讐に燃える主人公を演じたキム・ヒエの姿が圧巻だ。落ち着いた振る舞いで上流家庭の暮らしぶりを具象化していたが、不倫が発覚すると不安と絶望、憎しみと怒りの感情を行き来し、狂気の激情ぶりを加速度な演技の変化で見事に表現している。

また、その美魔女っぷりも圧巻で、50代とは思えない美貌を披露。"奇跡"と言われるほどの美しさから放たれる挑発的な眼差しや大人の色気など、キャリアを重ねた貫禄と美貌を兼ね備えたヒエだからこそ出せるオーラは、ドロドロとした作品をよりディープな世界へと誘っていくのだ。

世間を席巻している韓流ドラマの中でも、攻めに攻めた極北とも言える「夫婦の世界(原題)」。これまでの韓流のイメージをいい意味で裏切られ、その進化ぶりに驚かされるはずだ。

文＝HOMINIS編集部

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