日本で視聴できるようになってから1年以上が経つにも関わらず、依然として根強い人気を誇る「愛の不時着」。主人公カップルを演じたヒョンビンとソン・イェジンが今年に入って交際関係にあることを認め、世間から祝福を受けたことも今なお続く人気の理由の一つと言えるだろう。
そんなビッグカップルが、「愛の不時着」よりも前に共演していたのが映画『ザ・ネゴシエーション』。6月26日(土)にムービープラスにて放送される本作は、幼い子どもを含む家族まで人質に取るような凶悪犯と心に傷を負った交渉人の緊迫感のある心理戦を描いたサスペンスだ。タイで韓国人を拉致した裏社会の男と彼に交渉人として指名された女性警部補が、ビデオ通話の画面越しのやりとりを続けるうちに、犯人の真の目的が少しずつ明らかになる...。
キャリア初となる悪役への挑戦になったヒョンビンは、武器売買業者の男ミン・テグを演じている。テグは基本的に冷静だが、警察側に不手際があれば激昂して容赦なく人質を拳銃で撃ち殺してしまうなど、怒りの沸点が低い男。いつ何をしでかすか分からないキャラクターを、突如として強くなる口調や動き、一瞬にして殺意が宿る眼差しなど、ヒョンビンがメリハリのある演技で表現している。
加えて、「人質を一人ずつ殺していく」と笑顔で言い放つサイコな一面もあり、交渉を楽しんでいるような余裕のある振る舞いの恐ろしさは、初の悪役とは思えない貫禄。事件が真に迫るにつれ、軽薄だった表情が徐々に熱を帯びていくなど、魅惑の犯人像で物語にスリルを与えている。
一方、イェジンが演じたのが、テグと向き合うことになる交渉人のハ・チェユン。人質、犯人もろとも死なせてしまったという過去の経験から、この仕事は自分に向いていないのでは...?と疑問を抱えながら、それを見せないように交渉にしていくという難役だ。
犯人に対して弱さを悟られぬように冷静かつ強気に振る舞う交渉人を、断固とした口調など毅然とした態度で演じつつも、同時にどこか動揺も感じ取れるような含みのある眼差しで繊細に表現。さらに、とあるショッキングな出来事の後に一気に感情を爆発させるなど、人間味のある熱演はさすがの一言だ。
「愛の不時着」とは180度異なる役柄に扮している2人だが、犯人と交渉人が1対1でぶつかる状況での力関係の揺れを、会話の間や交わし合う視線で表現してしまうケミストリーの高さはお見事。ヒョンビンは映画のメイキングで「モニター越しに行われる演技に、最初は慣れなかった」と語っているが、駆け引きにおけるマウンティング合戦の面白さをスクリーンに浮かび上がらせている。
対立し合う役どころ、さらに初共演だったにも関わらず抜群の相性の良さを見せているヒョンビンとソン・イェジン。この演技を見れば、2人が「愛の不時着」をリードし、世界的ヒットに導いたことにも納得がいくことだろう。
文=HOMINIS編集部
放送情報
ザ・ネゴシエーション
放送日時:2021年6月26日(土)12:15~
チャンネル:ムービープラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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