様々な修飾語を持つ女優シン・ヘソンの魅力とは｜Kカル！

眠たそうな目と確かな演技力が魅力のシン・ヘソン

"人間ビタミン"や"ロコ(ロマンチックコメディ)女子""視聴率クイーン"など、様々な修飾語を持つシン・ヘソンさん。トロンと眠たそうな目をした、"平凡なルックス"が、彼女の武器の一つです。個性的なルックスをしていたり、目鼻立ちが整っていたりする女優さんは、パッと目を引くためCMや作品の主役に起用されやすいですが、反面、イメージが固定されやすく、役者としては柔軟性に欠けるとも言えます。一方、シン・ヘソンさんのような"印象の薄い"(褒め言葉です！)は、どんな役でも染まれるメリットが。シン・ヘソンさんの出演作を見ていると、「これも彼女だったっけ？」と驚くことが多いのは、役柄に完全に染まっているからほかなりません。そして、完全に染まることができるのは、ルックスだけのおかげではありません。天才的な演技力があるからです。

最新作『哲仁王后（原題）』では、生意気でいけすかない現代男性の魂が入ってしまった朝鮮時代の王妃役を演じています。見た目は女性、中身は男性という難しい役ですが、見事に「男性」に見えるのです。ゲップをしたり、唾を吐いたり、悪態をついたりするだけでなく、目の動きや表情筋の使い方まで、その姿は「素行不良な現代男性」そのもの。(個人的には、訝しがる表情が、一番好きでした！)中盤からは、本来の王妃の姿をも演技し、「男」と「女」を巧みに行き来しています。その自由自在さと、一見すれば茶番になりそうな設定に説得力を持たせる演技テクニックには驚くばかりです。そんなシン・ヘソンさんの演技は、視聴者の方たちの視聴理由の一つとなっていたようです。彼女の登場シーンが少ない回では、「次回は、たくさん出てくれ！」「ドラマを見る楽しみが半減」という反応があったとか。自らの演技が視聴理由になるなんて、女優冥利につきるのではないでしょうか。

韓国の芸能界は、事務所に所属しているか、芸能界とつながりのある芸術高校や大学に通っていることが活動の前提となります。そうでなければ、オーディション情報を得ることさえ難しいといいます。シン・ヘソンさんは芸術高校を卒業し、芸術系学科の大学に進んだものの、事務所が見つからず、長らくフリーランスで活動していました。そんな中でようやく掴んだデビューのチャンスが、2013年に『ゆれながら咲く花』(2013年)の高校生役です。ちなみに、主演をつとめたイ・ジョンソクさんは高校の同級生。自分の境遇とのギャップに思うところもあったのではないでしょうか。シン・ヘソンさん曰く、転機となった作品は『ナイショの恋していいですか！？』(2015年)だそうです。シン・ヘソンさんのキャリアの中ではあまり重要視されていない作品ですが、この時の制作スタッフたちとの縁により、女優としての道が開けたといいます。その後、ようやく名のある事務所に所属ができたのは、『ドキドキ再婚ロマンス〜子どもが5人！？』(2016年)で注目を浴びたあとでした。翌年には『黄金の私の人生』で初ヒロインに抜擢され、各賞を受賞。その後の活躍っぷりは、ご存知の通りです。どんな小さな仕事も、頑張っていれば見てくれている人がいる―。シン・ヘソンさんの歩みは、それを証明してくれています。

確かな演技力と誠実な仕事っぷりで、フリーランス女優からトップ女優まで上り詰めた、努力の人シン・ヘソンさん。そんなところも共感されているのかもしれません。

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