斬新な映像表現やテーマ性により、多くのファンから支持を集める、いま最も注目の映画スタジオA24。日本最大級の映画専門チャンネル・ムービ―プラスでは、「3ヶ月連続!映画スタジオA24特集」と題し、『ミッドサマー』、『ムーンライト』などの代表作品を8月から3ヶ月連続でお送りするとともに、その深き魅力に迫る。
映画スタジオA24(エー・トゥエンティーフォー)とは、ここ数年、日本でも急速にファンを拡大している映画制作・配給会社。会社が設立からまだ10年も経っていない若い会社である。映画業界で働いていたダニエル・カッツ、デヴィッド・フェンケル、ジョン・ホッジスの3人によって立ち上げられた同社は、2012年の「チャールズ・スワン三世の頭ン中」で劇場配給をスタート。その後、次々と話題作を配給し、頭角を現していく。
そして、2016年、初めて制作した『ムーンライト』で第89回アカデミー作品賞を受賞という大業を成し遂げる。その後、アメリカ最大の映画批評サイト<Rotten Tomatoes>で新記録を樹立した『レディ・バード』(2017年)、日本でも社会現象化した『ミッドサマー』(2019年)など、他のスタジオにはないアート性に富んだエッジーな作品を数多く世に放っている。
本年度アカデミー賞でも『ミナリ』が作品賞にノミネートし、もはやアカデミー賞常連の大注目の配給会社である。
ムービ―プラスでは、代表作と併せて映画スタジオA24を解説するミニ番組も放送。そして今回、『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』のアリ・アスター監督に、作品のモチーフや恐れるものについて語ってもらった。
──『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』は、寝ても寝ても頭から離れない恐怖、新しい恐怖を見つけてしまったという感動すら覚えました。
「とてもうれしいです。僕が若い時に大好きだった映画は、ずっと脳裏に残るような作品なんです。こういった映画は最後に『ホラー映画だから大丈夫だよ。終わったら、もう日常だから家に帰っていいよ』と安心させる作品が多い。だけど、僕は観客の脳裏に残って、ずっと考えてしまうような作品が好きなので、そう言ってもらえると嬉しいです」
──監督ご自身の「家族」の経験が作品のモチーフになっていたりしますか?
「そうですね。映像作家としては、自分がまったく体験していないことを物語にするのはとても難しいと思います。私たちは自分の体験から着想した物語しか書けないと思います。自分の経験哲学や視点から離れていくほど苦しくなっていきます。今まで手掛けた作品には、僕の家族や僕自身の経験が描かれていると思うし、自覚がないレベルで僕の作品に反映されていると思います。家族というのは色んなアイデアが出やすいテーマでドラマを作る際に欠かせないものです。この先ずっと家族をテーマに作品を作っていったとしても語りたいことはたくさんあると思います」
──観ていて一番怖いのは、モンスターとかよりも人間だなって感じたのですが、監督はどうお考えでしょうか?
「そうですね。本物のモンスターに出会ったことなんてないですから。病気なども怖いから全てではないですが、人間にかかわることに恐怖を感じることが多いです。下水道やベッドの下から出てくるモンスターなんて人間に関わる恐怖と比べたら、心地の良い恐怖ぐらいにしか思えないですね」
映画スタジオA24を解説するミニ番組もYouTubeにて公開中!
文=HOMINIS編集部
放送情報
『ミッドサマー』
放送日時:2021年8月6日(金)23:45~ ほか
『ムーンライト』
放送日時:2021年8月7日(土)2:30~ ほか
『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』
放送日時:2021年9月6日(月)0:00~ ほか
『レディ・バード』
放送日時:2021年9月6日(月)2:00~ ほか
『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』
放送日時:2021年10月放送
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
放送日時:2021年10月放送
チャンネル:ムービ―プラス
※放送スケジュールは変更となる場合があります
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