2022年の元日、話題の時代劇「赤い袖先(原題)」が韓国で最終回を迎えた。根強いファンが多く人気の高い韓国宮廷劇ジャンルの中でも、ロマンス要素を盛り込んだ"ラブ史劇"は、「哲仁王后(チョルインワンフ) 俺がクイーン!?」「ホン・チョンギ(原題)」「恋慕(原題)」...と近年も良作揃い。
中でも「赤い袖先(原題)」はジュノ(2PM)の待望の除隊後復帰作であり、演じる役柄が名君イ・サン(正祖)とあって大反響を巻き起こした。そんな話題のラブ史劇が、いよいよ日本でも3月11日(金)に第1・2話がKNTVにて先行放送される。
「赤い袖先(原題)」は、朝鮮王朝史上最も波乱に満ちた人生を送ったといわれる第22代王イ・サンと聡明な女官・ドクイムの若かりし日々を描く歴史ロマンス。"クットン"とは女官の衣装の袖のこと。王の常服である龍袍(ヨンポ)と質素なクットン――対照的な2つの赤い袖先が、立場の違うイ・サンとドクイムの切ない愛の行方を暗示する。
数々の俳優が演じてきた"正祖"ことイ・サンをジュノが、のちにサンの側室・宜嬪成氏(ウィビンソンシ)となるドクイムをイ・セヨンが演じている。
何事にも動じない堂々たるカリスマ、イ・サンは韓国時代劇でも圧倒的な知名度を誇る人気キャラクターだ。イ・ソジン主演の歴史大作「イ・サン」(2007年)をはじめ、数々のドラマや映画でその生涯が描かれてきた。映画『王の涙 -イ・サンの決断-』(2014年)では、「愛の不時着」のヒョンビンがイ・サンを演じており、涼しげな表情と鍛え抜かれた肉体美で威厳のあるイ・サン像を作り上げたことでも広く知られている。
つまり韓国では"イ・サン"を演じることに特別な意味があり、重圧がのしかかる役どころ。本作でジュノが演じたのは、そんな時代劇のカリスマであり、そのうら若き日の姿だ。
2PMのメンバーとして2008年に韓国デビューしたジュノは、本格的に俳優デビューを果たした2013年以来、"演技ドル"としてもたびたび注目を集めてきた。
時代劇初出演だったソードアクション映画『メモリーズ 追憶の剣』(2015年)では主人公のユべク(イ・ビョンホン)に使える剣術使い・ユルを演じ、ダンスで鍛えた持ち前の運動神経でワイヤーアクションもスタントなしで披露。また『色男ホ・セク』(2019年)では、全身から匂い立つような色気を発する男妓生(キーセン)ホ・セク役に。朝鮮時代の伝統的な琴や舞踊も短い期間でマスターし、流麗なパフォーマンスで魅了した。
アクションや舞踊に言及するまでもなく、"体を使った表現力"はアーティストとしてステージに立ってきたジュノの強力な武器だ。「赤い袖先(原題)」では、迷いのない立ち姿や落ち着いた物腰、品のある佇まいなど、指先まで神経の行き届いた演技でイ・サンのカリスマ性を表現。落ち着いた低音ボイスも、堂々としたイ・サンらしさに一役買っている。
一方で、熱烈なロマンスも若き日のイ・サンにフォーカスした同作ならではの見どころ。ドクイムを感情のままに抱きしめる場面では俊敏な身のこなしを見せ、若き王の初々しさも体現。これまでにないイ・サン像を作り上げ、"ラブ史劇"ブームとも言える今にあっても、ファンを強烈に惹きつける引力のような魅力を振りまいた。
そんな「赤い袖先(原題)」は韓国でも回を追うごとに大きな反響を呼び、最高視聴率17.4%を記録。「2021 MBS演技大賞」では"今年のドラマ賞""最優秀演技賞"などの主要部門を含む8冠を達成。美しいラブシーンを見せたジュノとイ・セヨンも"ベストカップル賞"に輝いた。
兵役期間のブランクをものともせず、プレッシャーのかかるイ・サン役に新たな味付けを施して演じ切ったジュノ。彼の新たな代表作「赤い袖先(原題)」をこの機会にじっくり堪能してみてはいかがだろうか。
文=酒寄美智子
放送情報
赤い袖先(原題) 第1・2話先行放送
放送日時:2022年3月11日(金)20:00~(2話連続放送)
※レギュラー放送は4月16日(土)より毎週(土)20:00~(2話連続放送)
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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