「SOTUS/ソータス」(2016年)に登場するツンデレな先輩(アーティット)×一途な後輩(コングポップ)や、「TharnType/ターン×タイプ」(2019年)のゲイ嫌いの秀才(タイプ)×男女問わずモテるイケメン(ターン)など、魅力的なカップルを次々と誕生させているタイドラマ。
近年の世界的なタイドラマブームの中心となっているGMMTV社は、昨年末にも毎年恒例となった新ドラマ発表会を行っており、2022年は昨年以上の新作を制作予定と明らかにしている。その新作ラインナップの中でも、注目を集めた作品の1つが「Never Let Me Go」だ。
「Never Let Me Go」で共演するプーウィン(プーウィン・タンサクユーン)とポンド(ナラーウィット・ルーラットゴースム)が注目を集めるきっかけとなった人気ドラマであり、「2gether」シリーズの原作者・JittiRainの新作ドラマとしても話題を呼んだ「Fish Upon the Sky」が、3月14日(月)より衛星劇場にて日本初放送される。
「Fish Upon the Sky」の主人公は歯学部に通うオタクでさえないピー(プーウィン)。人気者の兄と比較され、劣等感をこじらせており恋人はおろか友達もいなかったピーは、雨の日に傘に入れてくれた優しいナーン(ミックス/サハパープ・ウォンラート)に一目惚れしてしまう。
しかし、学校の人気者のナーンはピーにとって"Fish Upon the Sky"のような存在(日本語では"雲の上の存在"の意味)。なんとかナーンに近づこうと分厚い眼鏡を外してイメチェンしたり、話のきっかけを作ったりと努力するピーだが、ナーンの隣りにはいつも医学部のモーク(ポンド)がいた。
いつも自信満々なモークをライバル視するピーに対し、モークはスキンシップを取ってきたり、「俺が好きなんだろ?」と意味深な言葉を発したり...。ピーはナーンへの恋心を募らせる一方で、思わせぶりなモークの言動にも心を乱されていく。
人気者・ナーンを演じたミックス(サハパープ・ウォンラート)も、「A Tale of Thousand Stars」(2021年)で大ブレイクしたスター俳優ということもあり、キラキラとした旬な3人が繰り広げる恋の三角関係は、直球ストレートな少女漫画のような爽やかさがある。
また、ナーンを見つけた時の屈託のない笑顔や、恋敵を見つけては不機嫌になったり、挙動不審になったりと、初めての恋に一喜一憂し、コロコロと変化するピーの表情も見ていて感情移入できる理由のひとつ。対するモークの色気あるポーカーフェイスと面白い対比になっており、モーク&ピーの"痴話げんか"のような言い争いは、進展する"その先の関係"を思い起こさせ、絶妙なコンビ感を醸し出している。
そして「2gether」と同様に、彼らのリアルな日常を描くうえでひと役買っているツールがSNS。しかも、ピーがナーンとの写真をSNSにアップした際には誹謗中傷コメントが並び、"相手に釣り合わないこと"を気に病むシーンや、酔っぱらったピーがモークとのキス写真をSNSで拡散してしまうシーンが登場し、SNSの問題点があぶり出される場面も多々。
しかし周囲の視線が気になった時、誰よりも味方でいてほしいのが大好きな人。不安な気持ちに寄り添って、安心させてくれるという関係性は、「2gether」のタインとサラワットにも通ずる"理想的なカップルの在り方"と言えるかもしれない。
また、これまでのJittiRain作品と同じく、登場人物には本当の悪人がおらず、みんな不器用だけど少しずつ成長していく清々しい展開も、安心して世界観に浸れる理由だ。
第一印象は最悪で、お互いに共通点のないモークとピーだからこそ、足りない部分を補い合う2人の姿に共感させられる本作。演じたプーウィン&ポンドの相性の良さを堪能しながらも、シリアスな次回作「Never Let Me Go」ではより深みを増した2人の再共演が見られそうで、今から非常に楽しみだ。
文=津金美雪
放送情報
Fish Upon the Sky
放送日時:2022年3月14日(月)23:00~
※毎週(月)23:00~(2話連続放送)
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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