待望の新作「アンナラスマナラ -魔法の旋律-」が、いよいよ5月6日(金)より世界配信を迎えるチ・チャンウク。日本でも大反響を呼んだ「梨泰院クラス」のキム・ソンユン監督が手がけるファンタジーで、かつ魔術師役というチャンウクの謎めいた役柄への期待感とも相まって、早くも注目を集めている。
もともと本格的なアクションに定評があり、日本で現在公開中の映画『ハード・ヒット 発信制限』では本格的な悪役にも初挑戦。その幅の広い演技で話題を呼んでいるチャンウクだが、ソ・イングクやパク・ソジュンらと並び"キス職人"に挙げられるなど、ロマンス作品の印象も強い。中でも、「ヒーラー ~最高の恋人~」(2014年)は、そんな激しいアクションと甘いラブストーリーの両方を堪能できるチャンウクの代表作だ。
「ヒーラー ~最高の恋人~」は、パク・ソジュンと共演した「キム秘書はいったい、なぜ?」(2018年)や、ブレイク中の若手俳優ソン・ガンと共演した「気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!」(2022年)などヒットを飛ばし続けるトップ女優、パク・ミニョンと共演したロマンチック・ラブストーリー。
チャンウクが演じるのは、心に傷を抱え、決して正体を明かさずに生きる業界一の便利屋"ヒーラー"ことジョンフ(チャンウク)。殺人以外はどんな依頼も完璧にこなす彼の下に、ある女性を捜し出し、彼女の夢を調べてほしいという奇妙な依頼が届いたことから、物語は始まる。ターゲットは、三流インターネット新聞"サムデーニュース"の熱血記者・ヨンシン(ミニョン)。ヒーラーとして彼女の身辺を調べるうち、その関係に変化が生じていく...。
同作でチャンウクは、3つの異なる顏を見せている。頭脳明晰、身体能力抜群の便利屋"ヒーラー"と、依頼を遂行するため、ヨンシンが働くサムデーニュースに潜入する新人記者"ボンス"、そして、ヨンシンに惹かれながらも素顔を明かすことができない"ジョンフ"自身だ。
軍事企業の元傭兵を演じた「THE K2~キミだけを守りたい~」(2016年)などでアクション俳優としても名を馳せるチャンウクだけに、本作でも格闘シーンの迫力は圧巻。第1話冒頭で見せるトレーニングのシーンでは、汗ばんだ筋肉質の肉体を惜しげもなく披露している。
そうした切れ者のヒーラーとは違い、ヨンシンの後輩記者という立場にいるボンスは、オドオドしていて虫が苦手という守ってあげたくなる気弱なキャラ。ボンスを信用し心を許したヨンシンによって、ヒーラーへの想いを打ち明けられて戸惑うシーンは、同一人物か?と疑ってしまうほど、可愛らしいリアクションにキュンとする名場面だ。
そして、ヨンシンに惹かれれば惹かれるほど、本当の自分として名乗り出ることができないジョンフの切なさに、胸が締めつけられる。
偽装した人間関係が描かれる同作だけに、ラブシーンにも"素顔が明かせない"設定が効いている。中でも特にロマンチックな名シーンが、ヒーラーとヨンシンの"目隠しキス"。たびたびピンチに助けてくれるヒーラーにいつしか恋心を抱くようになったヨンシン。素顔を見せることができないヒーラーは、ヨンシンの目が隠れるほど帽子を深くかぶせたままキスをする。切なく甘く、セクシーな胸キュンシーンだ。
"目隠しキス"のほか、ジョンフとヨンシンが同作で見せたキスシーンは、"屋上キス""スパイダーマンキス""泥棒キス"など多彩で、どれもが愛称を付けられ話題を集めるほど魅力的。チャンウクが"キス職人"と称されるのも納得の"キスシーン堪能ドラマ"でもあるのだ。
出世作となった時代劇「奇皇后―ふたつの愛 涙の誓いー」(2013年)や、この「ヒーラー ~最高の恋人~」を経て、人気を不動のものとしたチャンウクはその後、日本や中国を含めたアジアでも大人気に。「THE K2~キミだけを守りたい~」や「あやしいパートナー~Destiny Lovers~」(2017年)、韓国語吹き替え版「君の名は。」(2017年)のタキ(声の出演)など話題作が続き、兵役後も「コンビニのセッピョル」(2019年)、最新作「アンナラスマナラ -魔法の旋律-」(2022年)など、主演作が途切れない。
本格派アクション俳優としての身体的に優れた表現力と、女性の心を震わせるロマンス演技――幅の広い演技で長くファンを魅了し続けるチャンウクだけに、その多彩な魅力が詰まった名作ドラマをこの機会に改めてじっくり堪能したい。
文=酒寄美智子
放送情報
ヒーラー ~最高の恋人~
放送日時:2022年4月24日(日)0:10~
※毎週(日)(月)0:10~
チャンネル:KBS World
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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