今年4月末に正式に除隊し、6月16日には数え年で30歳という節目を迎えたパク・ボゴム。除隊後、第58回百想芸術大賞の司会を務めるなど早くも活動を再開させており、俳優・アーティストとしての復帰作にも期待が高まっている。
そんなボゴムの代表作と言えば、自身が歌う「愛しい人」などOSTも大ヒットした時代劇「雲が描いた月明り」(2016年)を思い浮かべる人が多いだろう。だが、それ以前に彼の名を一気に広めたブレイク作が「恋のスケッチ~応答せよ1988~」(2015年)だ。
ボゴムの癒しスマイルに心奪われるファンが続出した「恋のスケッチ~応答せよ1988~」は、若手スターの登竜門としても有名な「応答せよ」シリーズの第3弾。
第1弾「応答せよ1997」では、ソロ歌手としてデビューしていたソ・イングクを初主演に据えて一気にスターダムへと押し上げ、続く第2弾「応答せよ1994」(2013年)では、「花郎<ファラン>」(2016年)のAraや「賢い医師生活」(2020年)のユ・ヨンソクら若手実力派を起用。どちらも社会現象ともいえる反響を巻き起こしてきた人気シリーズだ。
1人のヒロインに対して恋のライバルが複数登場する同シリーズでは、ヒロインが将来結婚するのは誰なのかをあてる"旦那さま探し"が共通のテーマ。第3弾の「恋のスケッチ~応答せよ1988~」でも同様に、タイプの異なる3人の男性キャラクターが、ヒロインと恋の駆け引きを展開していく。その中の1人で、天才囲碁棋士・テクを演じているのが、当時まだブレイク前だったボゴムだ。
本作の舞台となるのは、初のオリンピック開催に沸き立つ1988年の韓国・ソウル。おしゃれに興味津々な女子高生・ドクソン(ヘリ/Girl‛s Day)の周りにいるのは、小さい頃から兄弟のように育った4人の幼なじみ――無愛想だが友だち思いのジョンファン(リュ・ジュンヨル)、優等生のソヌ(コ・ギョンピョ)、お調子者のドンリョン(イ・ドンフィ)、そして天才囲碁棋士のテク――。ある時、ドクソンがソヌに失恋したことをきっかけに、5人の均衡が少しずつ崩れていく...。
ボゴム演じるテクは、囲碁の才能はピカイチながらそれ以外のこと全般が不得手。幼なじみたちからも使い走りのようなことをさせられているが、ふとした瞬間にドクソンに見せるキュートなスマイルはインパクト大だ。
そんなテクの中国遠征にドクソンが同行したのをきっかけに、2人は急接近。控えめだったテクが、次第に大胆な面を見せ始める。
遠征先での写真撮影では急にドクソンの肩を抱き寄せ、幼なじみたちに「ドクソンが好きだよ。友達としてじゃなくて...女の子として」と宣言し、恋のライバル・ジョンファンを慌てさせる。子犬のような可愛いルックスに目が惹きつけられる一方で、一途な恋心をストレートにぶつける大胆さとのギャップでファンを魅了していった。
さらに、ドクソンと2人で横たわり手をつないでキスを交わすシーンは胸キュン必至。夢なのか現実なのか曖昧に描かれたこともあって、幻想的でドラマチックなムードに包まれており、ボゴムが演じた歴代キスシーンの中でも人気の高い名シーンとなっている。
回を重ねるごとに高まっていったボゴム人気とも相まって、「恋のスケッチ~応答せよ1988~」は当時のケーブルテレビとしては異例の最高視聴率18.8%を叩き出し、第52回百想芸術大賞ほかアジアの主要アワードで総計22冠を達成。ボゴムの名も韓国のみならずアジア各国に一気に知れ渡った。
さらに、ボゴムは同作とほぼ同時期に音楽番組「ミュージックバンク」MCに抜擢されたこともあって、知名度が飛躍的に拡大。その後は、翌年の「雲が描いた月明り」の大ヒットも重なり、"国民の彼氏"と称されるほど人気を不動のものにしていったのは周知の通りだ。
兵役を終え、俳優として更なる成長を見せるであろうパク・ボゴム。ブレイクのきっかけとなった「恋のスケッチ~応答せよ1988~」でもう一度、彼の魅力に触れてみてはいかがだろうか。
文=酒寄美智子
放送情報
「恋のスケッチ~応答せよ1988~」ノーカット字幕版
放送日時:2022年7月14日(木)~29日(金)20:30~
※毎週(月)~(金)20:30~
※7月18日(月)は放送なし、7月19日(火)は21:10~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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