2PMテギョンの俳優的魅力・人間的魅力を感じられる、初の時代劇出演
2PMのラッパーであり、俳優としても活躍するテギョンさん。演技ドルの一人ですが、作品選びがちょっと独特なことで有名です。特に事務所を移籍した後は、『ザ・ゲーム~午前0時:愛の鎮魂歌』の"死の瞬間"が見える悲しき主人公、『ヴィンチェンツォ』のサイコパスな凶悪犯など、一筋縄ではいかない難役に挑んでいます。
そんなテギョンさんの最新ドラマが『御史(オサ)とジョイ(原題)』。意外にも、初の時代劇。そして、久しぶりの恋愛要素あり! ということで、それだけでもテンションが上がってきます。
テギョンさんが演じるのは、朝鮮時代の美食家お坊ちゃまラ・イオン。無駄に賢いばっかりに暗行御史に任命されてしまったイオンが、仲間たちとともに、様々な捜査方法で、悪行を働く地方官吏たちをバッサバッサと裁いていく様子を描いていきます。
まず目を引くのが、麗しき両班姿。ご自身も「思いのほか似合っていた」とおっしゃっていましたが、正統派イケメンの外見と186cmの筋肉質ながっちりした体が、韓服に映える!映える! 真っ白の韓服を身にまとい、悪者たちのもとに颯爽と現れ、馬牌(身分証のようなもの。ドラマの中では『水戸黄門』でいう印籠のような使い方をされる)を裾から取り出し「私が暗行御史だぁ~!」と叫ぶ姿は、カリスマ性ばっちりです。一方、従者コンビとのやり取りではポンコツで幼稚なところを見せ笑わせてくれます。ヒロインとのロマンスでは恋愛初心者っぷりを発揮し、母性本能をくすぐりまくります。
仕事では頼れて、プライベートはちょっと抜けていて、恋愛はウブで最高に紳士的。こんなにかっこよさと人間味の絶妙なバランスを持っている人、現実世界にいる? と思いきや、いました、いました。それがテギョンさんです。何度かテギョンさんを取材させていただきましたが、その度に感心するのが、その賢さとコミカルさ、そしてジェントルさです。自分の考えをしっかりと持っていて、それを秀逸な語彙センスで表出する。時々おどけたりなんかもして、笑いを取ることも忘れない。そんなテギョンさんとのインタビューはいつも楽しいものでした。
イオンは、これまでのどの作品より"オク・テギョン"感がある役です。テギョンさんも、ある取材で「カッコよく感じる時もあれば、ちょっぴり頼りない時も多い。僕も案外スキだらけなので、イオンは"朝鮮版オク・テギョン"とも言えます」と言っているほど。そんな中で、私が特に「テギョン感」を覚えたのが、最終回。イオンは、朝鮮時代の人々のスタンダードな道ではなく、"自ら正しいと思う"選択をしてエンディングを迎えます。その姿は、演技ドルの王道作品ではなく、自ら興味を抱いた作品を能動的に選択し、独自の俳優道を歩み続けるテギョンさんの姿に重なりました。
『御史(オサ)とジョイ(原題)』でテギョンさんの俳優的魅力、人間的魅力を感じてみてはいかがでしょうか。
取材・文:酒井美絵子
聖心女子大学卒業後の2001年に渡韓。韓国外国語大学大学院在学中の2002年から、韓国から日本に輸出されるK-POP紹介番組などに出演。2004年からは日本の韓流ブームに乗り韓流雑誌への寄稿を開始。その後、出版・テレビ・映画といったメディア業界を中心に、ライター、コーディネーター、翻訳家として日々活動中。
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放送情報
『御史(オサ)とジョイ(原題)』
<番組概要>
ラ・イオンは出世に関心がないが美味しいものには目がない美食家。ひょんなことから、暗行御史になれという命を受け、従者とともに仕方なく任務のために出かけることに。しかしそこで、不可解な事件に遭遇し調査をする過程で、幸せのために突き進み、離婚しようと決意したキム・ジョイと出会う。事件解明をきっかけに二人は行動をともにするようになるが…。
2PMのテギョンが自身初の時代劇に挑戦!前作『ヴィンチェンツォ』での悪役とは180度違う、お坊ちゃまでありながらカリスマ溢れる暗行御史というギャップのある主人公ラ・イオンを好演!ヒロインのキム・ジョイを『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』で注目され、『偶然見つけたハル』で大ブレイクを果たしたキム・ヘユンが演じる。
出演者:テギョン(2PM)、キム・ヘユン ほか
放送情報:2022年7月28日(木)13時30分~第1話再放送
※以降、毎週(金)後11時~放送
チャンネル名:衛星劇場