少女時代のカムバックが尊い理由...約10年前の海外公演で体感する圧倒的熱量のステージング

5月に8人が揃った完全体カムバックを予告してから早や数ヶ月――少女時代のデビュー15周年を記念した7thフルアルバム『FOREVER 1』が遂に解禁された。K-POP第2世代による一大ムーブメントを体感した世代にとっては、待ちに待ったカムバックと言えるだろう。

6thフルアルバム『Holiday Night』以来、5年ぶりとなる完全体カムバックがここまで盛り上がりを見せるのは、彼女たちの多大な功績や、後輩グループに与えてきた影響力によるところが大きい。約10年前、K-POPブームの波が世界中に押し寄せていた頃、そのムーブメントの中心にいた少女時代。韓国発の音楽番組の人気も多方面に波及しており、2012年に開催された「ミュージックバンク」のパリ公演「ミュージックバンクinパリ」に出演した際には、会場を凄まじい熱狂で包み込んだ。

「ミュージックバンクinパリ」には、少女時代のほか、SHINee、2PM、BEAST、U-KISS、SISTAR、4Minute、T-ARAら、当時のK-POPブームを牽引するトップグループが競演。どのステージも割れんばかりの声援や掛け声がこだまする中、トリで登場した少女時代は、「GENIE」「HOOT」「Gee」のリミックスから華々しくステージを展開していった。

誰もが口ずさめるヒット曲の連投で格の違いを見せつけると、「MR.TAXI」のクールなパフォーマンスでも聴衆をくぎづけにした。ラストに披露したポップなアーバンダンス曲の「THE BOYS」では、ソロパートを歌うメンバーがモニターに映るたびに大歓声が沸き起こった。当時は9人組だったメンバーそれぞれが披露するサビの迫力のパフォーマンスは、唯一無二のカッコよさとしなやかさに溢れており、今見ても鳥肌が立つことだろう。

「ミュージックバンクinパリ」には、2008年デビューの"同期"であり、現在も第一線で活躍するSHINeeと2PMも出演。デビューと同時にスターダムを駆け上がった彼らにも場内から大声援が送られ、その熱量の凄まじさに圧倒されること必至。改めて当時のK-POP人気と勢いを感じることができるはずだ。

翌2013年に中国・北京で開催された「2013韓中友情コンサート」も、当時の爆発的なK-POP人気を象徴する大型音楽フェスティバルの1つ。5千人の観客が会場に詰めかける中、少女時代をはじめ、SUPER JUNIOR、2PM、EXOら現在も高い人気を誇るグループが集結した。

場内では、韓国語の歌詞を歌い、振り付けをまねて踊る人々が続出したほか、両国のトップアーティストたちによる華麗なジョイントステージも行われるなど、国境を超えた交流が繰り広げられた。

中国で圧倒的人気を誇るSUPER JUNIORの完成されたステージングはもちろん、当時デビュー2年目だったEXOの初々しいパフォーマンスは、今振り返ると新たな発見もあり新鮮な印象をもたらしてくれる。また、少女時代の不動のセンターであるユナ、SUPER JUNIORのマンネ(最年少)のキュヒョン、2PMのテギョンという人気者がタッグを組んだMCも、10年以上が経った今では貴重な3ショットと言えそうだ。

15年という長きに渡って韓国ガールズグループ界のトップに君臨する少女時代。「韓国アイドルの寿命は5年」と言われるほど移り変わりの激しい世界において、よりシビアとされるガールズグループの彼女たちが積み上げた実績と重みはひと際輝くものがある。第2次K-POPブームの熱狂ぶりを知れば、今回の完全体カムバックがより尊く感じられるはず。その圧倒的な熱量とエモさを、ぜひ体感していただきたい。

文＝川倉由起子

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