人気アニメ「リコリス・リコイル」を朗読劇と音楽で振り返るスペシャルイベント「喫茶リコリコプレゼンツ アフターパーリィ!Tomorrow is another day.」が、2月11日に東京・すみだトリフォニーホール 大ホールで開催された。今回は、安済知佳(錦木千束役)、若山詩音(井ノ上たきな役)、小清水亜美(中原ミズキ役)、久野美咲(クルミ役)、さかき孝輔(ミカ役)が出演した同イベントの模様をレポートする。
舞台は、最終回後に千束が喫茶リコリコに帰ってくるシーンから始まる。安済演じる千束が喫茶リコリコの制服に寄せた和風の衣装で「たっだいま」と登場すると、アニメの世界観をそのままに和気あいあいと開店準備を始めるミズキ、クルミ、ミカ、たきなの4人に、開店は明日からにすることを宣言してオープニング映像へ。その直後、ステージにはClariSの2人が登場してオープニングテーマ「ALIVE」を熱唱。アップテンポで疾走感あふれるサウンドを、迫力の生演奏と共にパワフルなパフォーマンスで歌い上げた。
ClariSのステージと入れ替わりで再び劇が始まると、この日のために書き下ろされた朗読劇を交えつつ、過去の名シーンを生アフレコで振り返った。たきなが初めて喫茶リコリコに訪れた時や、DA本部でたきなが千束と本音を交わす重要なシーンを、スクリーンに映し出された映像に合わせてリアルタイムで声を当てていく。身振り手振りで千束のような雰囲気を醸し出す安済の演技に引き込まれると、水族館でグラビアのポスターを千束がまねるシーンでは、安済のグラビアポーズに客席から拍手が送られた。
朗読劇の間には、睦月周平率いるミュージシャンたちの劇版演奏が行われ、バイオリンやアコースティックギター、フルートなどを用いて作品に使用された楽曲を次々と演奏。幻想的な照明の演出も加わりながら、作品の世界観をハイレベルな音色と共に観客に届けた。
その後も、いくつかのシーンを経て再び楽曲パートを挟むと、千束の晴れ着をミズキが選んでいたことや、失踪した千束の居場所を知ったたきなが空港にすっ飛んで行ったことなど、アニメ作品では描かれなかったことが明かされた。
その後、嘘の依頼が入ったことを口実に千束が店を抜け出し、たきなが彼女を追って舞台は高級バーに。そこで「2人になりたかった」と告げた千束が、最終回でたきなに命を救われたことを感謝。たきなが笑顔で返事をすると、エンディングテーマ「花の塔」とともにエンディングの映像がスクリーンに流れ、生アフレコ&朗読劇を締めくくった。
再び、キャスト陣がステージに戻ると、オープニングテーマを歌ったClariSは「今日だけの特別なアレンジを作っていただいて、素敵なバンドのメンバーさんと一緒に曲をお届けできてとても楽しかったです。喫茶リコリコのセットで歌わせてもらえるなんて思っていなかったので、リコリコの一員になれた気がして幸せでした」と感謝。劇伴演奏を行った睦月は「大編成で劇伴の音楽をアレンジさせていただいて楽しかったです。もともとフルートやアコーディオンが入っていない曲もあったので、今回のためだけに編曲させていただきました」とスペシャルバージョンだったことを明かした。
続いてキャスト陣に話が移ると、朗読劇を振り返って久野は「楽しかった」、小清水は「私たち完璧だったわね」と自画自賛するも、さかきから「けっこう破綻してましたよ」と一刀両断される。遠慮のない物言いにそれぞれが笑顔を向けると、安済は「本番中は台本とみんなと画面しか見れなかったので、改めてこんなにたくさんの人がいるんだって、今、実感してきました」と安堵した表情を見せた。
ここで突然、若山が驚いた顔をすると、安済が「こんなの台本になかった」とスタッフの唐突な指示を指摘。スクリーンに映像が映し出されると、新作アニメーションの制作決定が発表され、安済と若山が涙を流しながら座り込むほど感動すると、すぐさま小清水と久野と抱き合い、喜びを分かち合った。興奮冷めやらぬ中、安済は「皆さんの応援あってこその結果なのでうれしいですね。今日は眠れない、これからがパーリィだ」と満面の笑みで答えると、若山も「これからも作品を愛し続けていただければと思います」とファンに感謝。最後は肩を組んで出口に向かい、「これからもよろしくお願いします」と手を振りながらステージを後にした。
取材・文=永田正雄
放送情報
喫茶リコリコプレゼンツ アフターパーリィ!Tomorrow is another day.
https://lycoris-recoil.com/event/
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