英国朗読劇を独自に改良した「藤沢朗読劇」と呼ばれる音楽朗読劇を中心に活動を続けている、劇作家・藤沢文翁による音楽朗読劇の新ブランド「READING HIGH」。現実を意味する"3次元"を空想の翼によって超越し、その先に待ち受ける"3.5次元"へと観客を誘うエンターテイメントを目指すプロジェクトでもある。
その第1弾タイトルとして2017年12月に開催されたのが、音楽朗読劇「Homunculus ~ホムンクルス~」だ。ヨーロッパを代表する磁器、マイセン陶磁器の製造者として歴史に名を残すヨハン・フリードリッヒ・ベトガーが、「錬金術師として"白磁の秘密"を発見した」という史実を基に、錬金術で創り出されたホムンクルス(人造人間)の4兄弟がたどる運命を描くダーク・ファンタジーとなっている。
作品の舞台は17世紀のヨーロッパ。 陶磁器の発明家として弟子たちに慕われていたベトガーの命が、今まさについえようとしている場面から物語の幕は上がる。死がベトガーの人生に終わりを告げようとした瞬間、彼はまるで許しを乞うかのように昔話を始める。彼が語るのは、かつてヨーロッパ全土を揺るがした「ホムンクルス事件」。人間が人間を作り出すという禁忌に踏み込んだ当事者の1人として、今にも命のともしびが消えようとする中、全ての始まりとなる4人の兄弟の物語をベドガーは紡いでいく。
本作は人気実力派声優・俳優の共演で話題を集めた。錬金術によって生み出されたホムンクルスの4兄弟を諏訪部順一(「ユーリ!!! on ICE」ヴィクトル・ニキフォロフ役など)、梶裕貴(「進撃の巨人」主人公エレン・イェーガー役など)、豊永利行(「ユーリ!!! on ICE」主人公・勝生勇利役など)、甲斐田ゆき(「テニスの王子様」不二周助役など)、物語の語り部となるベドガーを関智一(「フルメタル・パニック!」主人公・相良宗介役など)、いずれも人気の声優が演じた。また、石黒賢がホムンクルス抹殺するためにヴァチカンから送り込まれたフェルナンド枢機卿、彼と共に歩む修道士ユリウスを梅原裕一郎(「銀河英雄伝説 Die Neue These」ジークフリード・キルヒアイス役など)が好演。キャスト陣のクラシックな衣装やテクノロジーを駆使したドラマチックな舞台効果、重厚な生演奏によるサウンドなど、従来のシンプルな朗読劇を超越したエンターテイメント性も大きな魅力の1つといえるだろう。
2017年12月の開催時には全公演がソールドアウトとなり、パッケージ化を待ち望む声も多い中、7月1日(日)にファミリー劇場で待望のTV初放送が決定。7月7日(土)、8日(日)には、山寺宏一、大塚明夫、林原めぐみの実力派声優陣による第2弾「HYPNAGOGIA~ヒプナゴギア~」が東京・Billboard Live TOKYOにて上演されるなど、ますます注目を集める「READING HIGH」。悲しくも美しい世界に触れ、"3.5次元"の世界を感じてほしい。
文=中村実香
放送情報
音楽朗読劇「Homunculus ~ホムンクルス~」
放送日時:2018年7月1日(日)21:00~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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