『AD-LIVE(アドリブ)』をご存知だろうか? 『銀魂』の沖田総悟、『うたの☆プリンスさまっ♪』の聖川真斗、『おそ松さん』のイヤミ等々、デビュー以来さまざまなアニメで引っ張りだこの人気声優・鈴村健一が立ち上げた舞台コンテンツだ。元々は彼が長らく出演しているインターネットテレビ番組『鈴村健一の超人タイツ』(現在は『超・超人タイツ ジャイアント』)から生まれたもので、2008年に初舞台、2014年からは本人以外の声優たちを迎えて、鈴村は自分の出演日を含め全体をプロデュースしている。ここ数年は日替わりで演者二人が舞台に上がるスタイルが取られている。
まさに"アドリブ"で構成された舞台は予測不可能
そもそも、声優のみならず役者の演技には、まず台本というものが存在する。それを元に演技する中で多少のアドリブは生まれることもよくあるが、この『AD-LIVE』には台本自体が存在しない。決められているのは、ざっくりとした世界観とポイントポイントで発生する出来事のみ。その他は演者が肩から提げているバッグの中に入っている単語キーワードの書かれた紙を時折使いながら、全て即興で作られていく。
特にキャラクターに関しては、舞台に上がるまでお互いが知らないので、ステージ上はまさにはらはらドキドキ、そして全く予測不可能な展開から生まれる笑いに、客席は大爆笑。流れと全く違うキーワードを引けば引くほど化学反応で舞台の熱が上がっていくのが、この舞台の醍醐味と言えるだろう。それがハイテンポで進んでいくから、最後まで本当に目が離せないのだ。
12公演全てが全く違う展開の舞台を見逃すべからず!
今回オンエアされる2016年の舞台は、総勢12名のメンバーで1日2公演、計12公演が全国で行われた。鈴村の他、寺島拓篤、小野賢章、森久保祥太郎、梶裕貴、堀内賢雄、中村悠一、福山潤、釘宮理恵、高垣彩陽、浅沼晋太郎、下野紘と、豪華かつ実力派揃いのラインナップだ。
筆者が観た浅沼と下野の舞台は、2016年から鈴村と共に演出を手がけることになった浅沼が設定を担当していたのだが、さすが劇団を主宰する彼らしく、終始ギミックやエスプリの利いた展開で、それを下野の持つ圧倒的な陽性気質がポップに仕上げているという印象だった。ネタバレになってしまうので詳しくは書くことが出来ないのだが、12公演全てが全く違う内容なので、ぜひ全て観て楽しんでもらいたい。鈴村は出演日以外も全日ラストに登場して、出演者とその日の面白かったところをトークするので、それが楽屋を覗き見ている感じで楽しいことも、最後に付け加えておく。
そして、まだ発表にはなっていないが今年の公演にも既に期待が高まるところ。どんな声優陣が集まるのか、どんな組み合わせになるのか、今から楽しみだ。
Writer:向出早那
※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。
放送情報
【ファミ劇 黄金タイム】 (新)AD-LIVE 2016 [鈴村健一・寺島拓篤 昼公演]
放送日時:2018年2月7日(水)21:00~
チャンネル:ファミリー劇場HD
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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