山下大輝、梶裕貴も生の迫力に感動！「ヒロアカ」の世界を彩る音楽たち

TVアニメの第4期が10月よりスタートする「僕のヒーローアカデミア」(通称：ヒロアカ)初となるウインドオーケストラコンサートが、8月31日に東京文化会館大ホールで開催された。ステージには東京佼成ウインドオーケストラの演奏者のほか、緑谷出久(デク)役の山下大輝、轟焦凍役の梶裕貴、そしてシリーズの劇中音楽を担当している作曲家・林ゆうきが登壇した。

第1部の開始と同時に、オールマイトの登場シーンに使われる「私が来た！！」が演奏され、作曲を担当した林は「普段はTシャツと短パン姿で、締め切りに追われながら曲を作っているので、こんなにも大きな会場でたくさんのお客様に聴いていただけるのはうれしい」と喜びを語った。続いて登壇した山下と梶も「オールマイトの声が聞こえてきそう」と、生オーケストラの演奏に興奮気味な様子。

今回のイベントについて、林は「ヒーロー志望の子が活躍する作品に合わせて速いテンポの曲を作ったので、生演奏でできるのか不安でした」と本音を吐露。しかし、リハーサルを聴いて感動したことを明かし、「すごかったです」と笑みを見せた。

続けて、軽快な曲調の「雄英高校」、重厚な「PLUS ULTRA」などの演奏で観客を魅了。中でも物語の重要なシーンに使われる「My Hero Academia」「君はヒーローになれる」の2曲に思い入れがあるという林は「自分が作った作品はそんなに聴くことはないんですけど、この2曲はたまに聴き返しては好きだなと思い返すことが多くて、あらためて聴くと感動します」とコメント。

さらに、メインテーマの「You Say Run」も印象に残っていることを明かし、「主人公がヒーローを目指して動き出すまでの心情や葛藤を表現するために静かに始めて、彼が走り出す瞬間に大きくなるように意識して作ったことを覚えています」と制作時のエピソードを語った。

楽曲のタイトルを自分で付けているという林は、原作を基にすることが多く、「You Say Run」というタイトルについて「作中でオールマイトが生徒たちに向かって『有精卵』と呼びかけるシーンがあって、デクが走り出すシーンに重ねて、英語で表現することにしました」と打ち明けた。そのまま「You Say Run」が演奏され、会場を感動の渦に包むと大きな拍手の中、第1部は終了。

第2部の初め、「獲りに行く！」「Weeee Are Fu×kin Super Start!!」「騎馬戦」と、雄英体育祭のエピソードで流れた楽曲が披露され、山下と梶は「音楽の力をすごく感じます」と絶賛。そんな2人に林が「声優さんは泣いたり笑ったりするシーンをアフレコで音楽なしに、感情を込めて演じていてすごい」と言うと、2人は恐縮。梶は「イベントや朗読劇では音楽を聴きながらお芝居ができるので、いつも以上に良い演技ができているんじゃないかと思う時があります」と話した。

コンサート終盤、オールマイトが宿敵オール・フォー・ワンと戦う重要なシーンで使われた楽曲「ワン・フォー・オール VS オール・フォー・ワン」が披露されると、林は制作当時を振り返り、「もっとゴリっとした方がいいのか、苦しい感じを出した方がいいのか、悩みながら作りました」と告白。梶は「オーケストラのために作られた曲だと感じさせる壮大な曲でした」と深く感動した様子だった。

アンコールでは指揮者に代わり林が、自身の10周年コンサートのビジュアルで着ている割烹着姿で登場し、会場から笑いが起きる中、力強く指揮棒を振るうと「You Say Run」を再び演奏。デク、オールマイト、爆豪勝己、麗日お茶子の4人のキャラクターも登場し、会場が大歓声に包まれると、さらに会場一体となった手拍子で盛り上がり、演奏後には割れんばかりの拍手が送られた。

最後に、梶は「音楽の魅力をあらためて感じる素敵な機会でした。僕らも音楽に負けないように、頑張ってお芝居していきたいと思います」とコメント。山下は「素敵な曲だなと感じていて、絶対に生で聴きたいと思っていたので、すごくうれしかったです。そして、皆さんもヒロアカの音楽が大好きなんだと感じました。これからも、頑張りますので応援してください」とメッセージを送った。

割烹着姿の林は「本日の料理のラインナップは、堪能していただけましたでしょうか？」と切り出し、「コンサートができてうれしく思います。またオーケストラや、フィルムコンサートもやりたいと思っています」と、今後の目標を明かした。そして、ヒロアカのイベント恒例のコール＆レスポンス、山下の「更に向こうへ！」の後、全員で「プルスウルトラ！」と叫び、コンサートは幕を閉じた。

文＝永田正雄

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