アニメ『ソードアート・オンライン』(通称:SAO)《アリシゼーション》編の完結を記念したスペシャルイベント『ソードアート・オンライン アリシゼーション -After War-』が、11月8日(日)に東京・立川ステージガーデンにて開催された。今回は夜公演の模様をレポート。
イベントの冒頭、スクリーンに映ったのはアスナ役の戸松遥からのコメント映像。この日、会場に来ることができなかった彼女から「今日のイベントは、間違いなく楽しんでいただける内容になっていると思います。こんなにキャストとアーティストさんがそろうイベントは、なかなか今までの『SAO』のイベントでもなかったので今日は思う存分、ライブにイベントに楽しんでいただけたら嬉しいなと思います」とメッセージが送られた。
そして、スクリーンにはキリト役の松岡禎丞、アリス役の茅野愛衣といった10人のキャストたちと、《アリシゼーション》編の主題歌を担当した藍井エイル、ASCA、LiSA、ReoNaら4人のアーティストを、シリーズの名シーンと共に紹介するオープニング映像が流れた直後、ステージにはLiSAが登場。「ようこそ、夜の部へ!最高に楽しんで行きましょう、ピース!」とハイテンションで会場をあおると、彼女に呼応するように赤いペンライトが会場内の至る所で輝きだす。歌ったのは「アリシゼーション」1stクールのオープニングテーマ「ADAMAS」。疾走感あふれるロックサウンドを、パワフルなパフォーマンスと共に歌い上げた。
LiSAが最高潮に温めたステージに入れ替わりで、ユイ役の伊藤かな恵に続き、キリト役の松岡禎丞、リズベット役の高垣彩陽、シリカ役の日高里菜が登場し、朗読劇がスタートした。場面は、シルフ領の首都・スイルベーンのとあるカフェ。そこへ遅れて登場したのは、この日の主賓となるアリスを演じる茅野愛衣。VRMMORPG「アルヴヘイム・オンライン」で、キャラクターを作ったばかりのアリスのスキル上げを目的としたこの日の集まりに、彼女は「こんなにも仲間が周りにいてくれるなんて、アンダーワールドにいた頃には絶対想像できなかった」と語る。そんな中、リズベットからの提案を受け、キリトは全ての始まりとなるルーリッド村にあった大きな黒い杉の木の話から、仮想世界・アンダーワールドで起きた波乱の運命を振り返ることに。
そこからユージオ役の島崎信長(※「崎」は正しくは「立さき」)、ロニエ役の近藤玲奈、ティーゼ役の石原夏織らも加わり、『ソードアート・オンライン』《アリシゼーション》編全47話を振り返る名シーンの生アフレコ&朗読劇が本格的に始まった。声優陣がアニメ本編に勝るとも劣らない演技で、リアルタイムに声を当てていく姿は圧巻の一言。中でも、ユージオがロニエとティーゼを守るために右眼の封印を破って禁忌目録を犯す場面では、近藤と石原、そして島崎による鬼気迫る熱演に誰もが息を飲んだ。
キリトとアドミニストレータとの決戦、キリトとユージオの別れのシーンの後にステージに登場したのはASCA。「アリシゼーション」2ndクールのオープニングテーマ「RESISTER」のパワフルな歌声で、しっとりとした会場の空気を一変させた。その後、リーファ役の竹達彩奈、シノン役の沢城みゆきも合流しストーリーが進行。アンダーワールドへダイブしたアスナに危機が迫る中、キリトが目覚める感動的なシーンに続き、藍井エイルが姿を現し、「アリシゼーション War of Underworld」2ndクールのエンディングテーマ「I will...」を美しい歌声で届けた。
キリトとガブリエルの対決シーンで、松岡は途中から台本に目を落とすことなく、まさに魂の叫びと呼ぶにふさわしい圧巻の演技を披露した。その後、宇宙にまで進出した200年後のアンダーワールドの様子、そして無邪気な幼少期のキリト、アリス、ユージオを回想するシーンに続き、ReoNaがステージに登場。「アリシゼーション War of Underworld」2ndクールのオープニングテーマ「ANIMA」を熱のこもったパフォーマンスと共に歌い上げ、生アフレコ&朗読劇を締めくくった。
再びステージに登場した松岡は、「これだけ朝から晩までアフレコ三昧って、あまりやったことがなくてめちゃくちゃ緊張していたんですけど、意外と何とかなるもんだな、と」とコメント。それを皮切りに、登壇した声優陣によるアフタートークがスタート。一同に作品への愛やファンへの感謝を表す中、茅野が「みんなの感想を聞いていて、胸がいっぱいですね」と、感極まった様子で涙ぐむ場面も。「本当にアリスを演じられて良かったです、ありがとうございました」と深々と頭を下げた。
島崎は「ユージオはやっぱり幸せだったんだな、とあらためて思いましたね」と振り返ると、松岡に今回のイベントについて「やりきれたね!」と爽やかな笑顔を向けた。そして、松岡が「皆さまに熱い現場の力だったりも感じていただけたのかなと思いますし、『ソードアート・オンライン』もまだまだ《プログレッシブ》とか、展開としてはいろんな方向性がありますので」と語り、原作者の川原礫に向けて「続きをよろしくお願いします!」と熱いメッセージを送った。最後は、キャスト一人ひとりがあいさつをし、熱く盛り上がったイベントは幕を下ろした。
文=中村実香
作品情報
「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」2021年公開
詳しくはこちら