鈴村健一が総合プロデューサーを務め、すべてをアドリブで作り上げる即興舞台劇『AD-LIVE』。中でも『AD-LIVE ZERO』と題した11年目は、事前に世界観など最低限の設定を決めてきたこれまでのフォーマットではなく、各キャラクター設定や物語のオチ、演出ギミックなど、すべてを当日のくじ引きによって決定するという新たな試みが、大きな話題を呼んだ。そんな前代未聞の舞台劇『AD-LIVE ZERO』全10公演の模様が、12月よりファミリー劇場でTV初放送される。
このスリリングなステージに挑んだのは、鈴村健一のほか、森久保祥太郎、梶裕貴、前野智昭、吉野裕行、仲村宗悟、寺島拓篤、豊永利行、浅沼晋太郎という人気声優たち。12月は、梶裕貴&前野智昭が出演する千葉公演(2019年9月7日上演)、吉野裕行&鈴村健一が出演する東京公演(2019年9月14日上演)が放送される。
公演の初めに総合プロデューサーの鈴村と、クリエイティブプロデューサーとして演出チームに加わった森久保が登場し、くじの内容を発表。メインキャストのキャラ設定や「記念写真を撮る」「涙を流す」といった演出15個がくじで決定されるだけでなく、舞台開始後にもさらに3個の演出がくじで追加されるというルールだ。ちなみに物語の展開に応じて、鈴村、森久保の2人は演出だけでなく、時には彩-LIVEとして各公演に参加した。
※「」:くじの結果を表記
9月7日の昼公演は、「女しかいない世界」が舞台。梶は「アウトドア派」で「泣き虫」なオサム、前野は「アルバイトをかけ持ちするフリーター」で「宇宙人」なレイ役だ。出会いのシーンから、レイがマラカスを振って踊りながら現れるなど、カオスなやりとりが繰り広げられ、物語は予測不能な展開へ。
また、同日夜公演の舞台は「地図に無いBar」。梶は「どんなことでもポジティブ」で「被害者」な、てらだたましい役で忍者服に身を包んで登場。一方の前野は、「オラオラ系」で「テレビに出たい人」のカンゾウを演じる。序盤の2人のコミカルなやりとりは、気心知れたキャスト同士ならでは。そして、たましいが探す忍術書をきっかけに、熱いドラマが繰り広げられていく。
9月14日は、総合プロデューサー・鈴村が出演を熱望していたという吉野と登場。昼公演の舞台は「漫画家の部屋」で、鈴村演じる「純粋無垢な」「教師」の将が、不登校の生徒の部屋を訪れると、中から吉野演じる「ジュースでも酔えるパリピ」だが「いつも冷静で何事にも動じません」というTAKAが登場する波乱の幕開け。果たして物語はどうなっていくのか...?
同日夜公演では、吉野演じる「2児の父親」で「お笑い芸人」のTOSHIと、鈴村演じる「よく怠ける」「変わり者」のひじりが、舞台となる「敵のアジト」で出会う。攻めの姿勢で中二病満載のセリフを連発するTOSHIのキャラクターや、思いがけないトラブルの発生など、終始笑いの絶えない公演となった。
今回の構造では物語のオチはくじで決まっているが、すべてをアドリブで紡ぐため、一寸先の展開すら全く予想がつかないのが本作の魅力だ。人気声優たちがこれまで培った演技力と、とっさの対応力を全力で発揮して生まれる、一度きりの奇跡のドラマを堪能してほしい。
文=中島文華
放送情報
AD-LIVE ZERO
放送日時:2020年12月1日(火)22:00~ほか
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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