中谷美紀がボサ髪にマイペース口調の傍若無人な刑事を好演!迷宮事件に挑む「ケイゾク」シリーズの劇場版

(C)1999 TBS・角川書店・キングレコード

15年前、絶海の孤島・厄神島に向かう途中で、船が沈没。その船に乗っていた9名の乗客のうち、2人だけが死亡した。生き残った7人には当時、殺人容疑がかけられるも、証拠不十分で事件は迷宮入りとなった。死亡した2人は霧島という夫婦で、その娘・七海(小雪)から、生き残ったメンバーに対し、厄神島への招待状が送られてくる。招待客の1人でもある磯山早苗の娘・章子(大河内奈々子)に同行を求められた柴田と真山も島へと向かうが、客人を待ち受けていた七海が「死のゲーム」のスタートを宣言。彼女の言うとおりに、招待客が次々と命を落としていく...。

中谷が演じる柴田は、東京大学法学部を首席で卒業したというキャリア警察官僚ながら、方向音痴でマイペース、のんびりとした話し方など、刑事というイメージからはかけ離れたタイプの主人公。常に髪はボサボサ、服装もロングスカートに黒のハイソックスを合わせ、その上に白いスクールソックスを重ねるなど、警察という仕事にはおよそ不向きと思えるクラシカルなファッションを好む、「常識」という枠には収まりきらないキャラクターだ。

(C)1999 TBS・角川書店・キングレコード

普段は誰もが認める最強ビジュアルの持ち主である中谷だが、TVシリーズに引き続き、本作でも持ち前の「美女オーラ」は封印。冒頭から、入院中の真山の上でよだれを垂らしながら寝ているところを起こされるという豪快な姿を披露したのを皮切りに、乱れた髪を自らの唾で整え、コートを着たままシャワーを浴び、人前で赤いレースの下着を履くという傍若無人な柴田。しかし、そんな彼女が驚くほど自然に視聴者に受け入れられたのは、まさに中谷美紀という役者が持つ、圧倒的な清潔感の成せる技だろう。

絶海の孤島を舞台に起こる殺人事件を発端に、TVシリーズから柴田と真山、それぞれが抱える心の傷をも描き出した、まさにシリーズ集大成と呼べる本作。真山役の渡部と中谷の軽妙な掛け合いや、奇想天外なトリック、そして彼らを待ち受ける衝撃のクライマックスなど、まさに見どころだらけの一作だ。

文=中村実香

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放送情報

映画「ケイゾク/映画Beautiful Dreamer」
放送日時:2022年12月31日(土)1:00~
チャンネル:TBSチャンネル1

放送日時:2023年1月9日(月)19:50~
チャンネル:TBSチャンネル2

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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