平野紫耀と橋本環奈が天才たちの不器用な恋模様を演じる映画「かぐや様は告らせたい ～天才たちの恋愛頭脳戦～」

King & Princeの平野紫耀と橋本環奈が初共演し、大ヒットを記録した映画「かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～」。原作は赤坂アカによる漫画で、アニメも含めブームを巻き起こした。そんな本作のメガホンをとったのは「総理の夫」や「初恋ロスタイム」の河合勇人監督で、脚本を「翔んで埼玉」の徳永友一が手がけた。

佐野勇斗、池間夏海、浅川梨奈、ゆうたろう、高嶋政宏(※「高」は正しくは「はしごだか」)、佐藤二朗ら脇を固めるキャスト陣が演じるキャラクターもぶっ飛んでいて、良い味を出している本作だが、その見どころは何と言っても平野と橋本のコメディアン、コメディエンヌっぷりだろう。「銀魂」や「今日から俺は!!」などでも高い評価を得て、「実写化がハマる女優」として大人気の橋本が、本作ではプライドの高いお嬢様・かぐやになりきった。一方で2022年10月から12月にかけて放送されたドラマ「クロサギ」で、詐欺師を騙すためにいくつもの顔を持つ詐欺師を見事に演じ分けた平野も、振り切った演技を見せている。

■「告白した方が負け」恋愛頭脳戦ゲームを平野と橋本がコミカルに演じる

「告白は魂の降伏宣言に等しい、恋愛は戦だ」と恋愛バトルを予想させるオープニングで始まる本作の舞台は富豪名家に生まれ、将来は国を背負うであろう若者たちが就学している名門私立秀知院学園。平野が演じるのは質実剛健で学園模試では1位の成績、1年生にも関わらず生徒会長に抜擢された白銀御行。橋本が演じているのは使用人たちに囲まれて豪邸で暮らしている財閥の令嬢で、副生徒会長の四宮かぐや。御行とかぐやは学内でお似合いの2人と噂されているが、「この俺に釣り合う女なんているものか」「この私を誰だと思ってるの？どうすれば私が平民と付き合うの？」と、お互い頭脳明晰で強気な性格。トランプのババ抜きをしたり、映画を一緒に見に行きたいと思うだけでも、互いが先読みして計算をするため、いちいち面倒くさいことになる。自分の心の声に振り回されて悶えながらも、相手の前では平然とした態度で接する平野と橋本の演技は「百面相」さながらの面白さ。妄想が暴走する「恋愛ひとり相撲っぷり」がパロディを織り混ぜながらコミカルなタッチで描かれている。

■好感度の高い平民と世間知らずのお嬢様のコンビが可愛い！

家に帰ると使用人たちがサポートする中、1人でセレブな料理を食べているかぐや。一方で御行は、働かない父と妹と共に小さな丸テーブルを囲み、扇風機のある素朴な部屋で生活して、自転車で学校に通っている。

キュンとするシーンも満載で、かぐやが原因不明の高熱で学校を休んだ際には「熱を出した時のかぐや様は甘えん坊になる」と聞いた御行がチャンスとばかりにお見舞いに行くのだが、天蓋付きのベッドで朦朧としながらも、なぜか、子供のようにくるくる踊り出す橋本の演技が可愛さマックス。相手に隙を見せたり、痛いセリフを言ってしまった自分を激しく後悔して必死で立て直そうとしたり...2人が奮闘すればするほど、物語の青春感が加速する。

身体の弱いかぐやを心配して、ストレス発散には踊ることが大事という情報をTVで見た御行が「ソーラン節」を覚えて踊るシーンでは、本来は身体能力の高い平野がリズム音痴をデフォルメして表現した動きを見せ、観客は声を出して笑わずにはいられない。互いにかなりこじらせているものの、可愛い2人から目が離せなくなる本作。その続編であり、恋愛頭脳戦についに決着をつける「かぐや様は告らせたい ～天才たちの恋愛頭脳戦～ ファイナル」も併せて放送される。

文＝山本弘子

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