松たか子の所作の美しさに魅了!司馬遼太郎の名著を役所広司主演で映画化した「峠 最後のサムライ」に見る微笑ましい夫婦像

司馬遼太郎の名著「峠」の初映画化「峠 最後のサムライ」
司馬遼太郎の名著「峠」の初映画化「峠 最後のサムライ」

(C)2020「峠 最後のサムライ」製作委員会

世界的巨匠・黒澤明監督の下でキャリアを積んだ小泉堯史監督が、これまで同様、"黒澤組"ゆかりのスタッフを結集させて臨んだ今作。民の暮らしを守るために戦争を避けようと奔走するも、和平を願った談判は決裂。やがて、5万人という大軍を擁する西軍(新政府派)との"最後の戦い"に身を投じる継之助の姿をまざまざと描き出していく。

主人公の継之助をさすがの説得力で体現したのは、名優・役所広司。力のある眼差しや落ち着きのある声など、貫禄たっぷりな存在感もさることながら、随所で垣間見せる温厚かつチャーミングな笑顔は親しみやすさを滲ませる。カリスマだが人間味に溢れた、理想的なリーダー像を浮かび上がらせた。

また、劇中では家庭人としての継之助にもフォーカス。多忙の夫を信じ支える妻・おすがを松たか子が演じており、凛とした佇まいで"良き妻"を体現した。言わずと知れた歌舞伎の名家に生まれ、日本舞踊も精通する松だけに、着物の着こなしや時代劇ならではの所作は、さすがに見事で目を引くが、小泉監督が特に絶賛したというのが、"カンカン踊り"の手先の美しさ。

これは、継之助がおすがをお座敷遊びに連れて行き、芸者とのカンカン踊りに興じる場面。夫に促されるままに楽しそうに踊る姿にも魅了されるが、「本番一発OK」だったという松の手先の美しさは見惚れてしまうほど。2人の微笑ましい夫婦関係もよく表れた名シーンとなっている。

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放送情報

峠 最後のサムライ
放送日時:2023年2月4日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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