竹内結子がクールでキレのある姫川刑事を演じ、高視聴率を叩き出した「ストロベリーナイト」の特別企画ドラマとして放映されたのが「ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン」だ。映画化もされていた本作について、当時、竹内は「それぞれのキャラクターの姿をじっくり見られる濃密なスペシャルドラマです。映画を観てからオンエアを観ていただくもよし、オンエアを観ていただいてから映画を観るもよし、どちらからでも楽しんでいただける作品になった」とコメント。映画で描かれた姫川班最後の事件の後日談となる内容で、登場人物たちがフィーチャリングされた短編5話から成るオムニバス作品。姫川に想いを寄せる部下の菊田(西島秀俊)、クールで頭脳派の葉山(小出恵介)、姫川、そして姫川とよくコンビを組んでいた井岡(生瀬勝久)と、姫川のライバルの日下(遠藤憲一)、姫川の天敵である「ガンテツ」こと勝俣(武田鉄矢)が登場する。姫川が意外なキャラクターになって出演しているのも面白く、菊田が主人公の回では過去をプレイバックする形で、上司だった木暮(國村隼)との物語も描かれている。
■竹内がにわか関西弁を使って、派手な女バイヤーに変身
池袋東署に勤務している姫川が主人公となった回のショートストーリーのタイトルは「アンダーカヴァー」。濃いメイクをし、黒い帽子にサングラス、ピンヒールを履いて商事会社に乗り込み、「パチモンはあかんで〜」と胡散臭いバイヤーに扮し交渉する展開からして新鮮だ。首を吊った零細企業の社長が詐欺にあったことを知って、その犯人を暴くためにひとり潜入捜査を行うのだが、上司に事件を担当させてほしいと頼み、管轄が違うと言われても「この件は聞かなかったことにしてください」と信念を曲げずに突き進む様に、ドラマを観ていた人は「姫川、変わってない!」と思うはず。生瀬演じる井岡に関西弁を教わりに行くところもニヤリとするポイントだが、覚えたての言葉とハッタリで威嚇するド派手な姫川はいちばんの見どころ。どんなキャラに扮しても美しい竹内が画面に焼き付けられている。
■西島が主役の回では菊田が若かった頃の熱血エピソードも
エピソード「東京」は菊田が主人公。上司(國村)に「お前みたいなまっすぐな性格だと刑事をやっていくのは辛いぞ」と言われるほど熱血だった頃の過去の事件が描かれ、なぜ菊田がパチンコ好きの愛煙家になったのかがわかるシーンが登場する。葉山が主人公の「沈黙怨嗟/サイレントマーダー」では、彼が姫川班のメンバーを誇りに思っていたことがわかる場面も――。日下と井岡が登場する「左だけ見た場合」では日下が事件を解決し、井岡に「その推理の仕方、まるで姫川じゃないですか?」と突っ込まれたりもする。竹内の言葉通り、スペシャルドラマでそれぞれのキャラクターを知ってから映画、もしくは連続ドラマを観るのもアリかもしれない。
文=山本弘子
放送情報
ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン
放送日時:2023年2月18日(土)23:55~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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