現在、放送中のドラマ「スタンドUPスタート」で主演を務め、起業する人たちを後押しする「自称」人間投資家を演じている竜星涼。朝ドラ「ちむどんどん」で演じた比嘉家の長男・比嘉賢秀役が話題になり、幅広い役を演じられる俳優として、現在、注目を集めている竜星。そんな彼が、W主演のmiwaと坂口健太郎と共演し、主人公と共に校内でバンドを組むベーシスト役で出演したのが2017年に公開された映画「君と100回目の恋」だ。
オリジナル脚本で描かれた本作のメガホンをとったのは「君の膵臓をたべたい」などの月川翔。青春のシーンを切り取った切ない音楽ラブストーリーで、自身の誕生日に不慮の事故で命を落としてしまう主人公の葵海をmiwaが演じ、葵海の運命を変えるためにタイムワープを試みる少年・陸を坂口が演じている。竜星が演じているのは、葵海に片思いしている直哉。ドラマーの鉄太(泉澤祐希)に背中を押されるものの、どうにも報われない役どころだ。4人でのバンドの演奏シーンも盛り込まれ、シンガーソングライターのmiwaが書き下ろしたラブソングもストーリーとあいまって多くの人を涙させた。そんな本作で竜星が見せた演技に注目したい。
■本作のためにベースを猛特訓したという竜星の演奏シーンも見どころ
陸が時間を巻き戻す能力を持っているという設定のため、本作にはバンドの練習風景や、海の近くで開催されるフェスでの演奏シーンが何度も登場する。劇中のバンド名は「The STROBOSCORP」。竜星は本作のためにベースを猛特訓したという。撮影に入ってからも4人での練習を重ね、撮影後もスタジオに入っては、結束力を強めていったようだ。小柄なmiwaがセンターで歌い、両脇に立つのが坂口演じるギタリストの陸と、竜星が演じるベーシストの直哉なのだが、坂口も竜星も180センチを超える長身なので、ヴィジュアルからして洗練されている。パリコレにモデルとして出演した経験を持つ竜星が、その抜群のスタイルで青いベースを低いポジションでかまえ、身体でリズムをとりながらベースを弾く貴重な姿が何度も見られる。ロケ地は「日本のエーゲ海」と形容される岡山県の牛窓で、青い海とヨットハーバーが見える野外ステージで行うライブも見どころ。
クールで何を考えているのかわからない一面を持つ陸と、そんな陸に恋をしている葵海に振り回されがちになってしまうリズムセクション。基本的には温厚なはずの直哉が、練習中に陸に食ってかかるシーンも印象的で、撮影を通して4人が本当のバンド仲間のようになっていったことがわかる空気感が映像から伝わってくる。
■恋の勝負に出ることを決意したのに撃沈!そんな直哉をコミカルに演じる
完璧主義者の陸にコンプレックスを抱いている直哉だが、性格は明るくてマイペース。鉄太から葵海に告白するよう急かされても尻込みしていた陸だったが、ついに告白を決心する。しかし、葵海、鉄太、マネージャーの里奈(真野恵里菜)と4人で食事をしている時に、葵海に「神社で話がある」と頑張って言ったは良いものの、「ここで言ってよ」と無邪気に迫る葵海に動揺してしまう。店からダッシュで逃走するシーンはコミカルながらも、竜星の演技にほっこりさせられる。心優しい不器用キャラを好演している竜星の演技に注目してほしい。
文=山本弘子
放送情報
君と100回目の恋
放送日時:2023年3月11日(土)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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