アメリカ版と異なるのは、シーズン1で展開したのが初のアフリカ系大統領となったデイビッド・パーマーの暗殺計画だったのに対し、日本版では仲間由紀恵演じる朝倉麗(あさくら・うらら)が初の女性総理になる瞬間を描く点。実は、アメリカ版は政治の描写で時代の先を行っており、パーマー大統領が登場したのは2009年のオバマ大統領就任より8年も早かった。シーズン7ではまだ現実では誕生していない女性大統領が登場し、朝倉麗はそちらのイメージも重ねられているのかもしれない。
朝倉を演じる仲間は、政治家としての聡明さと慎重さを落ち着いた演技で表現。「この人(朝倉)なら首相になれるかもしれない」と思わせる説得力がある。貫禄があるということでは変わっていないが、とても20年前は「ごくせん」のヤンクミを演じていた人とは思えない。朝倉は優しい夫(筒井道隆)と一男一女に恵まれ、一見、家庭も順調そのものだが、実はそうではないとわかってくる展開も見どころだ。
他のキャストも、アメリカ版でおなじみのCTUメンバーを誰が演じているかを見るだけでも楽しい。ジャックとは公私ともに関係深い、美人で有能な捜査官のニーナ・マイヤーズは、栗山千明が演じる水石伊月に。その水石と交際中の分析官・南条巧(池内博之)はトニー・アルメイダがモデルだ。ジャックとのコンビで有名なのはクロエという女性分析官だが、アメリカ版シーズン3からの登場なので、今回の日本版には相当するキャラクターがいない。もともとクロエのポジションにいた暗号解読係のジェイミー・ファレルに当たる明智菫を朝倉あきが演じている。
また、ジャックの娘キンバリー(キム)・バウアーはアメリカ版のヒロイン的存在で、毎回、勝手な行動をしてはジャックを窮地に陥れていたので、海外ドラマファンの間では"困ったちゃんキャラ"として有名だったが、日本版では2022年に「silent」で注目された桜田ひよりがそのポジション。10代ならではの反抗心と純粋さを見事に表現している。
文=小田慶子
放送情報
24 JAPAN #1
放送日時:2023年3月27日(月)12:20~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
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