天海祐希が宝塚退団後、初めての主演映画「クリスマス黙示録」で魅せる完成された演技と存在感

英語での演技をする天海祐希
英語での演技をする天海祐希

(C)1996 東映ビデオ・TBS・東北新社

チームを率いる役柄が多い天海の演技といえば、やはり特筆すべきはその存在感だろう。オーラと言ってしまえば簡単だが、その構成要素をひも解くと、口調から表情、目線に始まり、姿勢や歩調、立ち姿と、頭の先からつま先に至るまで、細かいところにまで行き届いた繊細な芝居が積み重なったもので、体の隅々にまで気を張って演じているからこそオーラを纏っているように感じられるのだ。

"気持ちで演じる"というのはよく聞く言葉であるが、"気持ちと体、両方で演じている"ため、自分自身らしさも自然と加味される。武道でいうところの「心・技・体」が高次元でバランスが取れている状態で、オリジナルの道を極めたフェーズといえよう。この域に達しているだけで稀有な存在なのだが、驚きなのは、20代で、退団後の初の映像作品で、全て英語の台詞という役柄で、体現しているところだ。

シアトルを舞台に、FBI主導の捜査にたった一人で帯同する日本の警部補というポジションであるため、役柄上どうしても"蚊帳の外"感が出てもおかしくないのだが、なかなかどうして、彼女の放つ存在感が葉子の存在感をも強めており、しっかりとした主演の役割を果たしている。年齢との関係で葉子の役職は警部補という設定なのだが、すでに警視くらいに見えるほどだ。

"宝塚歌劇団のトップスター"というイメージを"天海祐希"というイメージへと変えた、ターニングポイントとなる作品といえる同作品で、既に完成されている演技と圧倒的な存在感を感じてみてほしい。

文=原田健

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放送情報

クリスマス黙示録
放送日時:6月5日(月)22:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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