香取慎吾が初めて"ベテラン刑事"を演じたドラマ「アノニマス~警視庁"指殺人"対策室~」

(c)「アノニマス」製作委員会

SNSで「死ね」とバッシングされた人が本当に死んでしまうような事件が起き、万丞は攻撃した人に「強い人間なんていない。人は誰でも、この指1本で傷ついてしまう。人はもろいものなんだ」と真剣な表情で語る。匿名という状態はそんなふうに人を卑怯にも残酷にもするが、逆に匿名だからこそ暴けることもある。終盤では「アノニマス」と名乗って警察を激しく批判する者の正体が判明し、さすがの万丞も衝撃を受ける。

若い碓氷のように匿名の人物の攻撃を「許せない」と批判するだけでなく、警察も正義一辺倒ではないと知っているからこそ、アノニマスのような匿名の活動にも共感を示す。そんな清濁併せのむ万丞を、香取はオーバーアクションではない抑えた芝居で体現。後悔の思いを顔に滲ませ、まさに苦み走った中年男性として万丞を演じている。

香取の主演作、大河ドラマ「新選組!」(2004年)の脚本家・三谷幸喜が、日本人でありながらハリウッド映画のような雰囲気を出せる香取のキャラクターを稀有だとして絶賛したように、海外ドラマライクな本作に香取の存在感はぴったりとハマっている。

キャスティングも豪華で、香取と捜査一課の刑事・羽鳥賢三を演じる山本耕史の共演が楽しい。「新選組!」で近藤勇と土方歳三を演じて以来の親友である2人が、仲良しではないが同じ正義感を共有する関係を演じ、その2ショットからも、すっかり大人になったかつての青年たちの姿を感じられて、エモい。

文=小田慶子

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放送情報

アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~ 一挙放送
放送日時:2023年7月2日(日)18:55~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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