前の会社では腐女子であることが理由で失恋し、転職した成海は、「ヲタクであることは墓場まで持っていく」と心に誓っている。宏嵩にも「(ヲタクは)隠した方がいいよ。モテないよ」とアドバイスしたり「彼氏がヲタクなのはキモい」と言い、「出た〜。自分棚上げ腐女子」と無表情で返されてしまう。
居酒屋でゲームをしながら時間を過ごすうちに、2人は宏嵩からの提案で付き合うことになる。しかし、宏嵩に好意を寄せる森田(今田)に付き合っているのか聞かれても、成海は全否定し、宏嵩との関係を隠そうとする。そんな成海に対し、宏嵩は、声優アイドルヲタクの坂元(賀来)に成海との関係を聞かれ、あっさり肯定。腐女子バレを死守したい成海の社内での挙動不審の日々が始まることになる。
そんな成海を心配した宏嵩は、ヲタクではないカップルのように振る舞う「ヲタク封印縛りデート」をしようと提案する。しかし、無理は禁物。デートが終了した途端に、成海は息を吹き返したようにヲタ用語を連発。目を見開いてマシンガントークで生き生きと話すヲタク女子になりきった高畑のコメディエンヌっぷりと、無表情で抑揚のない話し方で、ゲームヲタクを演じた山崎。対照的な2人を見ているだけで面白い。
■高畑の歌は絶品!山崎も歌い、賀来もライブでヲタ芸を披露
本作の見どころの1つは、ストーリーの合間に挟まれるミュージカル仕立ての映像。10代の頃から「ピーターパン」などで活躍していた高畑は、今もミュージカル女優として熱く支持されているだけあって、透明感のあるボーカルとダンスはさすが。
主題歌が流れるシーンでは宏嵩が無表情のまま、大人数でダンスを披露し、BL漫画に熱中する成海を眺めながら切ないラブソングを歌うレアなシーンも登場する。
斎藤やムロ、菜々緒も歌ったり踊ったりと、貴重なシーンが盛り沢山。山崎と賀来が両手にサイリウムを持ち、全力の振りでアイドルを応援する場面もあるなど、愛すべき"ヲタク讃歌映画"だ。
文=山本弘子
放送情報
ヲタクに恋は難しい
放送日時:2023年8月3日(木)11:00~、2023年8月9日(水)23:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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