バカリズムワールドで光る、俳優・井浦新の新たな一面!シリアスな題材をコミカルな脚本で描くドラマ「殺意の道程」

(c)2020 WOWOW / SWEAT

お葬式のシーンから幕を開ける本作は、サスペンスの王道かと思いきや、良い意味でそんな期待を裏切る"バカリズムワールド"。葬儀会場で久々に一馬と顔を合わせた満は「カズちゃん、まさか復讐とか考えてないよね」と問いかけ、否定する一馬に「やるなら手伝うけど」と予想外の言葉をかけて、一馬をギョッとさせる。こうして一馬と満による復讐作戦が立ち上がるのだ。

しかし、作戦は一筋縄ではいかず、打ち合わせ場所が決まらずに結局ファミレスになったり、キャバ嬢・このは(堀田真由)の提案で作戦名が"苺フェア"という復讐には似つかわしくない名前に決まったりと、完全犯罪を目指すあまり、物騒な企てが期せずしてどこかイベント化してしまう。まだ殺害方法も決まっていないのに2人でホームセンターに繰り出し、黒のニット帽を何種類もかぶって「どうかな?」と問いかけ合ったり、ロープの種類がたくさんあることに驚いたりと、非日常的な作戦を練っている場面でも井浦の表情や仕草は自然体なため、尚更おかしく感じられる。

復讐相手である室岡の会社の近くで張り込みをしている時に、満がコンビニで買ってきた新発売のクリームチーズパンの美味しさに感動しまくる顔も少年のようで、意外と短気な面を持つ満との掛け合い、会話劇も絶妙。コメディ要素が盛り込まれた本作ならではの井浦の新たな一面が引き出されている。

■どんな結末が用意されているのか...予測不能だからこその没入感

殺人方法や警察の捜査にやたらと詳しいこのはと、彼女と同じキャバクラ店で働く占いに詳しいゆずき(佐久間由衣)。そんな2人にエールを送られながら、一馬と満は"苺フェア"を実行に移すべく、計画を進めていく。とはいえ、4人でカラオケに行ったり、海にドライブに行ったりと、青春している場面も登場し、危機感は薄め。どう考えても殺人なんてできそうにない主人公たちの珍道中かと思いきや...後半のスリリングな展開はさすがバカリズムワールド。コミカルな井浦とシリアスで渋い井浦が同時に楽しめるという意味でもドキドキさせられる。

バカリズム脚本の中で発揮される俳優・井浦新の新境地にも注目しながら見てほしい作品だ。

文=山本弘子

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放送情報

殺意の道程 一挙放送
放送日時:2023年8月27日(日)19:25~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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