新垣結衣大泉洋が夫婦役で紡ぐ奇跡の物語!映画「トワイライト ささらさや」

母親を演じる新垣結衣
母親を演じる新垣結衣

(C)2014「トワイライト ささらさや」製作委員会

そして、サヤが電車に乗って辿り着いた町が亡き叔母が暮らしていた「ささら」だった。近所のお節介で優しい妙齢の女性たち、お夏(冨司純子)、珠子(藤田弓子)、久代(波乃久里子)に助けられながら、サヤはなんとか町で暮らしを営んでいく。

ほっこりさせられるのは、ユウスケの入浴を手伝ってくれたお夏にユウタロウが乗り移り、夫婦喧嘩が始まるシーン。父親がいることを黙っていたことを怒り、「真打にもなれなかった」、「旅行にも行けなかった」と溜まっていた不満をぶつけるサヤに「死んじゃったんだから、しょうがねーだろ」と身も蓋もないことを言い返すやりとりでは、新垣のかわいさが全開。結婚当時はわからなかったお互いの秘密や本音が明らかになっていく。

■どんどん頼もしい母親の顔になっていく新垣の演技に注目

本作の公開は2014年なので、新垣は当時20代半ば。それまでは女子高生など、実の年齢より年下の役を演じる機会が多かったことを思えば、本作は新垣にとっての挑戦作だと言えるだろう。

ついにサヤがいる場所を突き止め、ユウタロウの父親から電話がかかってくるシーンでは、再びユウタロウがサヤのことを心配して手を尽くそうとするが、サヤは「父親に会って、自分がちゃんと子供を育てていくことをわかってもらう」ときっぱり宣言する。さらには「ユウタロウと父親を和解させたい」とも。毅然とした態度で自分の覚悟を伝える新垣の演技は、立派な母親の顔つき。やがて2人で抱き合って涙し、無念の死を遂げたユウタロウのことを思いやる懐の深さを見せるシーンは、本作での新垣の見せ場と言えるだろう。

引きの映像で映る「ささらの町」はミニチュアのようでメルヘンの世界。そんな場所で起こる小さな奇跡の物語はファンタジーに思えて、「目には見えないだけで、もしかしたらこんなことが起こっているのかも」と思わせる不思議な力もある。大泉と新垣の掛け合いや演技に注目しながら、夫婦の絆と奇跡の物語を見届けてほしい。

文=山本弘子

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放送情報

トワイライト ささらさや
放送日時:2023年10月4日(水)19:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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