藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)の新たな一面が開花!演劇界の異才・三浦大輔の手腕が冴える映画「そして僕は途方に暮れる」

「そして僕は途方に暮れる」
「そして僕は途方に暮れる」

(C)2022 映画「そして僕は途方に暮れる」製作委員会

劇団ポツドール主宰者でもある三浦大輔監督が、自らのヒット舞台を映画化した「そして僕は途方に暮れる」。舞台版に続いての起用となったKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が、主人公の"ダメ男っぷり"を見事に体現。観る者をイラつかせつつ、最後にはどこか共感してしまうようなキャラクターを作り上げた。

演劇界の異才である三浦は、舞台から映画へと表現の幅を広げ、乱交パーティに集う人々の悲喜交々を描いた「愛の渦」(2014年)や、会員制ボーイズクラブの娼夫となった大学生を主人公とした「娼年」(2017年)など、毎回賛否が渦巻くセンセーショナルな作品を世に送り出し、日本映画界に新風を吹き込んでいる気鋭の作家だ。

「そして僕は途方に暮れる」
「そして僕は途方に暮れる」

(C)2022 映画「そして僕は途方に暮れる」製作委員会

10月29日(日)にWOWOWシネマにて放送される「そして僕は途方に暮れる」は、シアターコクーンへの初の書き下ろし作品として各所から絶賛を浴びたオリジナル舞台(2018年公演)を、三浦自身が監督&脚本を務め、藤ヶ谷主演という再タッグで映画化したもの。特にやりたいことや目標もなく、自堕落な日々を過ごしているフリーターの菅原裕一が、些細な出来事をきっかけに、恋人や親友、先輩、後輩、家族などあらゆる人間関係を断ち切っていく姿を描く逃避劇だ。

人間の弱さやリアルな部分を赤裸々にあぶり出す、三浦監督の手腕が本作でも冴え渡っている。藤ヶ谷が演じる主人公・裕一が同棲中の恋人・里美(前田敦子)から「今後のことを話し合おう」と責め立てられる場面から物語はスタートする。裕一の瞳の奥には怯えが見えるし、笑顔はひきつり、生唾を飲んで喉仏が動く様子も妙にリアルだ。

ばつが悪くなった裕一は「出ていけばいいんでしょ」とばかりに、その場しのぎの言い訳をして家を飛び出していくのだが、その背中は呆れるほどカッコ悪い。その後は、幼い頃からの親友である伸二(中尾明慶)の部屋へ転がり込み、居候の身にもかかわらず、勝手ばかりする裕一。思わずキレる伸二に同情したくなるほど、裕一がたっぷりと観客をイラつかせてくれる。

自堕落なフリーターを演じた藤ヶ谷の、クズ男への変身ぶりは衝撃的だ。逃げて、逃げて、逃げまくるうちに、自分でもどこへ向かっているのか、何をしているのかと途方に暮れていく裕一の混乱を、時に静かに、時に情熱的に表現している。

目はくぼみ、頬はこけ、猫背でコソコソと歩く姿も印象的で、映画公開時には藤ヶ谷自身のもとにも「こんな藤ヶ谷太輔は見たことがない」という感想が相次いだという。三浦監督は何度もテイク数を重ねることでも有名だが、「何が正解なのか」と俳優として追い込まれていく過程は、裕一が混乱していく様子とピタリと重なったようで、公開記念舞台挨拶では藤ヶ谷が「新しい一面、表情を引き出してくださった三浦監督に感謝を伝えたい」と充実の表情を見せていたことをよく覚えている。

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放送情報 【スカパー!】

そして僕は途方に暮れる
放送日時:2023年10月29日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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