強面で裏世界にいそうな雰囲気を漂わせていたり、爽やかで清純な役が似合ったり。俳優それぞれに個性があり、それぞれにハマる役柄がある中で、「薄幸な役が似合う」とされてきた女優が木村多江だ。
木村自身も「若い頃は、儚げですぐに死んでしまうような役柄を演じることが多かった」と語っているが、ここ数年はさまざまな役柄に挑戦し、"薄幸系"とは違った一面も見える。2019年に放送されたミステリードラマ「あなたの番です」での怪演や、NHKの大河ドラマ「どうする家康」での好演などは、多くの視聴者の印象に残っていることだろう。
そんな木村が、子供を失った女性の苦しみを渾身の演技でスクリーンに描き出した映画が2008年公開の「ぐるりのこと。」だ。木村は主人公の女性・佐藤翔子を演じ、その夫・カナオをリリー・フランキーが演じている。
(C)2008『ぐるりのこと。』プロデューサーズ
本作の舞台は1990年代。翔子は学生時代に知り会ったカナオと結婚し、現在は出版社に務めている。夫のカナオはバイトをしながら日本画家を目指しているが、しっかりした性格の翔子とは対象的にマイペースな性格だ。
ストーリー序盤の翔子は、会社の同僚と足裏マッサージを受けながら、「夜の生活は週3回」といった話をケラケラ笑ってするような屈託のない女性。家でのカナオとのシーンでも、2人のリアルなやり取りが本当の夫婦のようで微笑ましく映る。この時、翔子は新しい命を身体に宿していて、実家の家族との会食の帰りにお腹の赤ん坊が「動いた」といって目を細めて喜ぶ横顔からは、温かな幸せに包まれていることが伝わってくる。
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