松本幸四郎、長男・市川染五郎と共に挑んだ"新たな鬼平"に自信「ド正統の時代劇で驚かせたい」

これまで4度映像化され、時代劇の金字塔とも称される池波正太郎原作の「鬼平犯科帳」シリーズ。初代鬼平は八代目松本幸四郎(当時、後の初代松本白鸚)が演じ、後にその息子である二代目中村吉右衛門に鬼平役は引き継がれ、2016年に惜しまれつつFINALを迎えた。

そして8年の月日を経てついに"新たな鬼平"シリーズが始動。その先陣を切る第一弾としてテレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」が1月8日(月・祝)に時代劇専門チャンネルで独占初放送される。本作で「鬼平」こと長谷川平蔵を演じるのは、十代目松本幸四郎。長男の市川染五郎が「本所の銕(てつ)」と恐れられた平蔵の青春時代・長谷川銕三郎を演じることでも話題だ。そんな2人に、本作への思いを聞いた。

松本幸四郎が「鬼平」こと長谷川平蔵を演じる
松本幸四郎が「鬼平」こと長谷川平蔵を演じる

「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」(C)日本映画放送

――今回「鬼平」を演じるに当たって、どんな思いで撮影に臨まれましたか?

松本幸四郎「やはり『鬼平』といえば、叔父(二代目中村吉右衛門)そのものだと思っていましたので、自分が演じるという次元ではありませんでした。ただ、お話を頂いた時に迷いは一切なく、高揚感と感動がありました。『根拠はないけど、自信はある』と言ってお引き受けしました。そもそも祖父(初代松本白鸚)から始まった作品ですし、叔父が長年演じてきた役でもありますからね。松竹の京都撮影所は、私自身も時代劇に関して育ててもらった特別な場所でもあり、少しでも恩返しができればという思いもありました。とても長い準備期間を頂いたので、乗馬や殺陣の稽古をしっかり積み、江戸弁の習得にも力を入れて撮影に入りました」

父子で「鬼平」の現在と過去を演じ分けた、松本幸四郎(右)と市川染五郎(左)
父子で「鬼平」の現在と過去を演じ分けた、松本幸四郎(右)と市川染五郎(左)

――染五郎さんにとっては、お父様と同一人物を演じるという形になりましたが、どんな思いでしたか。

市川染五郎「自分が『鬼平』に出演できるとは思っていなかったですし、まして父と同一人物を演じることに驚きました。親子とはいえ、父に似ているかどうかは自分では正直分かっていません。視聴者の方に不自然に見られてはいけないし、かといって無理に似せるのもどうなのかなと...。やはり曽祖父から大叔父へ、さらに父へと受け継がれた長谷川平蔵役なので、その血筋を信じて自分なりに自然に、と心がけて撮影に臨みました」

市川染五郎が演じるのは、若き日の平蔵・長谷川銕三郎
市川染五郎が演じるのは、若き日の平蔵・長谷川銕三郎

「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」(C)日本映画放送

――火野正平さんや山口馬木也さん、松平健さんらとの共演も楽しみです。

幸四郎「火野さんは密偵・相模の彦十役、馬木也さんは親友の岸井左馬之助役。この2人は平蔵とは旧知の仲であり、歴史があるわけです。彼らとの絆が見えるような信頼性を感じさせなくてはいけない。火野さんとは初対面で緊張しましたが、本当に彦十にしか見えないたたずまいで現場にいてくださったので、非常にありがたかったですね。馬木也さんとは同い年で、いいチームワークでやれました。松平健さんは、本当にカッコいい。『この人に斬られたい』とまで思ってしまいそうなほど(笑)。本当にすごみを感じましたね」

染五郎「僕は松平健さんに道場でコテンパンにされる場面なども多くて、本当に圧倒されました。でもカメラが回っていないところでは、とても優しくて。いろいろな意味で大きな役者さんだなと実感しました」

平蔵と左馬之助の青春時代の恩師を演じる松平健
平蔵と左馬之助の青春時代の恩師を演じる松平健

「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」(C)日本映画放送

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放送情報【スカパー!】

テレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」
放送日時:2024年1月8(月)13:00~/19:00~ ※同日2回放送
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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