西島秀俊の繊細な演技と存在感に魅了される!映画「世界の終わりという名の雑貨店」

そんなナイーブな青年を多く演じていた西島が「Dolls」の前年に主演したのが、1月10日(水)に日本映画専門チャンネルで放送される「世界の終わりという名の雑貨店」(2001年)。嶽本野ばらの処女小説集に収録されている同名小説が原作で、社会からの疎外感に悩む青年と女子高生の姿を描いている。
 
その中で西島が演じるのは、世間との折り合いがつけられずライターを辞めて「世界の終わり」という名の雑貨店をはじめる島尾雄高。カセットレコーダーに自分の気持ちを録音する彼は、自分宛に手紙を書き続ける女子高生・水野胡摩にシンパシーを感じ、少しずつ距離を縮めいく。ある日、雑貨店のビルが取り壊されることになり、自分たちの居場所がなくなってしまった雄高と胡摩は、雪の日に店に飾ってあった風景写真を手に逃避行をする......。
 
何を考えているかわからない雄高を、静かに演じる西島。常に困っているような表情で雄高の生きづらさを見事に体現。醸し出される雰囲気が、多くを語らない青年の内なる葛藤やどこか危うい雰囲気と実にマッチしている。ちなみに服も全編モノトーンで、ヴィヴィアンウェストウッドのファッションに身を包んだ胡摩を演じた高橋マリ子との対比も面白いところだ。

西島秀俊の繊細な演技と存在感に魅了される「世界の終わりという名の雑貨店」。シリアスからコミカルまで何でも演じられる俳優となった西島の原点ともいえる演技を堪能してほしい。

文=玉置晴子

この記事の全ての画像を見る

放送情報【スカパー!】

世界の終わりという名の雑貨店
放送日時:1月10日(水)19:30~ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物