伊藤淳史×仲村トオルの対照的な役柄が魅力のドラマ「チーム・バチスタ」シリーズ

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心療内科医の田口は、解剖室に入るだけで緊張し、Aiセンターの設立をよく思っていない解剖医の笹井(小西真奈美)に心配される始末。顔をしかめながら部屋の隅にいるが、冷や汗が止まらず、ついには倒れてしまう。そんな田口と対照的なのが白鳥で、彼は解剖をじっと観察。笹井に「あなたは平気なの?」と驚かれるほどに冷静だ。
解剖医の助手が忙しそうにしているとバケツを洗うのを手伝ったり、死因究明を依頼してきた遺族に少しでもリラックスしてもらえるようにハチミツ入りのホットミルクを入れたりする田口は思わず悩みを打ち明けたくなるような包容力のあるタイプで、その優しさが期せずして事件の糸口に繋がることも。一方で白鳥は、Aiセンターをよく思っていない警察の情報統括室室長・斑鳩にも臆せずに疑問をぶつけ、皮肉めいたもの言いも得意技。相手を怒らせて本音を引き出すタイプだ。

Aiセンターの島津(安田顕)が画像診断で首を絞められた可能性について言及した時には白鳥が田口の首を絞めて「こんな感じかな?」と再現してみせる。その後、食事の際に首を抑える田口に「まだ怒ってんの?」とあっけらかんと言うシーンも可笑しく、伊藤と仲村の阿吽の呼吸の域に達している演技がたっぷり楽しめる。

■事件を通して2人の距離が縮まっていくシーンも

スタッフや警察の人間がAiセンターの中で謎の死を遂げる中、白鳥と警察の対立がより浮き彫りにされていく。そんな中、Aiセンターの運営会議に突然、姿を表した斑鳩の挑発的な発言に、白鳥に代わって田口が毅然と「出ていってください」と宣言する。その後、夕暮れ時の病院の屋上で白鳥が自分の過去を打ち明け、センター長に受け身だった田口が「患者さんと医療、どちらにとっても公平なAiセンターを作ればいいだけの話でしょ」と背中を押す場面は、2人の絆が深まったようで印象的だ。クールなサディストなようで実は熱い一面を持つ白鳥を演じる仲村と、気弱だが、いざという時には男気を見せる田口を演じる伊藤の演技がシリアスなテーマを持つドラマをエンターテイメントに昇華させている。

文=山本弘子

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放送情報【スカパー!】

チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸 一挙放送
放送日時:2023年12月17日(日)11:00~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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