早見優の初々しい演技と美しさに釘付け!佐藤浩市も共演した映画初主演作「キッズ」

(C)1985松竹株式会社

舞台となるのは米軍基地のある港町。早見が演じるのは、ジャズクラブで働きながら弟と2人で暮らしている少女・サキ。かつてそのクラブで歌っていた母と同じく歌い手を目指しているが、まだ舞台に立ったことはない。やんちゃざかりの弟・智が兄のように慕っているのが、佐藤演じる隆一。サキの家に上がり込んだりするほどの間柄だが、裏の世界と繋がりがある危険な匂いがする男だ。

物語の序盤で早見にハッとさせられるのは、開店前のクラブで歌うシーンだろう。普通のシャツを着ているが、ピアノに合わせてしっとりと歌う姿はさすがと言える。その後、ピアニストに褒められて驚いたように喜んだり、「寝ようか」と冗談を言った時の初々しさと、その後の照れたような仕草などにも、若さと可愛さが溢れている。

物語は、隆一が裏の世界の仕事を引き受けたところから動き出す。繁華街のポルノショップの地下室で密造されていた"キッズ"が3丁、何者かによって盗まれた。隆一は拳銃を探すよう、坂田という男に頼まれる。しかし、拳銃を盗んだのは、智だった。その時から、早見の演技も冴えてくる。拳銃を試射する時の揺るぎない眼差しは射抜かれるような雰囲気がある。けじめを付けるよう智を叱咤するシーンでも、厳しくありながら心配そうな目で弟を見る。

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そして拳銃をすべて取り戻した後に、隆一に「気持ち、確かめたかったのに...」と呟いた時は、切なそうな表情で見つめる。弟を思う気持ちと隆一への想い。2人がサキにとって大切な存在であることが、若さと初々しさが同居する早見の演技からよく伝わってくる。

佐藤の演技ももちろん秀逸で、サキから拳銃を受け取った時に目を合わさず凄んだり、裏世界のの女が訪ねてきた時の静かな立ち振る舞いだったりに、隆一という男の生き様がよく現れている。中華料理店の店員にボコボコにされたり、バーでの大立ち回りで豪快に吹っ飛んだりと、喧嘩のシーンも実に爽快だ。

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ラスト近くの早見と佐藤は特に注目だ。橋の上でバイクの集団を止め、車から降りた時の隆一は想いと熱さが感じられるし、初めてクラブで歌うサキの姿は洗練されていて非常に美しい。それぞれの見せ場のひとつと言えるだろう。

だがその後に、2人をさらなる過酷な運命が待ち受ける。サキと隆一、若い2人は果たしてどんな未来に向かうのか。若かりし頃の早見優と佐藤浩市の演技に注目しながら、この物語を最後まで楽しんでほしい。

文=堀慎二郎

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放送日時:2024年2月2日(金)20:50~、2024年2月8日(木)8:30~ほか
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