――土橋さんの描く時代劇は現代に生きる人たちのヒントになるものとか、共感できるものが多いというのがひとつの魅力だと思います。大石内蔵助はリーダーという立場ですが、永山さんが考えるリーダー像を教えてください
「リーダーっぽくない人がいいんじゃないですか。少し抜けているというか。そういう人だと周りが『これはちゃんと考えなきゃいけないのかな』という気にもなってきますよね。1番いいのは『SLAM DUNK』の安西先生みたいな人だと思います。ただ単純に優しいとかではなくて、具体性を持たずに、ある空気の中でいい方向に促してくれる人。普遍的な言葉を言っているのに、それがずっと胸に引っかかって記憶に残るんです。それが僕の考える理想のリーダー像です。それで言うと、失礼かもしれないのですが、河合監督はまさにそういう方でした。フワッとした雰囲気の方で、具体的な指示やピリピリした緊張感を出さないですし、何でも受け入れてくださったんです」
――本作では京都と奈良、滋賀で撮影が行われましたが、実際に訪れてみていかがでしたか?
「今は東京に暮らしているので、京都とか奈良とか、琵琶湖周辺などの都会から離れした自然に囲まれた環境で撮影すると、ストーリーの中に入り込みやすいですよね。近代的なものがあまり目に入ってこない感覚が新鮮で現実離れした感覚になります」
――永山さんはそういった歴史のある街にはプライベートでも行かれるんですか?
「行きますよ。昔住んでいた板橋には貝塚があってよく見に行ったりしていたので好きですね。パワースポットも一度行きましたけど、確かに体がビリビリしました(笑)」
――確かにパワースポットは言葉では表せない感覚になりますよね
「そうですね。10年くらい前には1人でよく山登りをしていたのですが、山の中には樹齢が100年近いような木々がたくさんあるんです。そういう環境下に置かれると、何か神秘的なものをいただいているなっていう感覚がしますよね」
――最後に映画をご覧になる方にメッセージをお願いします
「時代劇作品ではありますが、実際に見てみると意外とライトに楽しめる作品になっていると思います。ムロくんの1人2役というところが今回のとても面白いところだと思いますし、演じ分けという部分でしっかりと異なる人物像が表現されているので注目してほしいです。映画を通して"ムロツヨシ"を堪能していただけたら嬉しいですね」
取材・文=川崎龍也
放送情報
映画『身代わり忠臣蔵』
2024年2月9日(金) 全国ロードショー
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