柳楽優弥有村架純三浦春馬の演技が心に刺さる!三浦の出演作で最後に劇場公開された必見の映画「太陽の子」

3人で浜辺に遊びに出かけた帰り、裕之は1人で浜辺に戻り海に入っていこうとする。修に砂浜に引き戻された後、激しく嗚咽しながら「怖いよ...でも、俺だけ死なんわけにはいかん...」と心情を吐露するシーンは、まさに圧巻だ。そうした感情を抑えてなお笑顔を見せる裕之の心情を思うと、胸が締め付けられる。

有村が演じる世津も、重要な場面で物語を引き締める。普段は明るく振る舞うが、裕之が心情を吐露したシーンでは、怒りにも似た表情で修と裕之を抱きしめ「戦争なんか、はよう終わればいい」と言い放ち、裕之の出征前に3人で飲んでいる場面では、裕之に「ケガなんかしたら承知しませんよ」、修には「学問頑張ること」と声を震わせて言う。
世津の言葉に、2人と一緒に未来へ歩んでいきたいという想いが込められているのが、その演技から伝わってくる。裕之はその想いを受け取って「いっぱい、未来の話しよう」と答え、再び研究に戻った修も「僕は進みます、未来の話をするために」とモノローグで語る。

研究が思うように進まない修、恐怖を抑え戦地に戻っていく裕之、祖父の世話をしながら石村家で暮らす世津。立場の違う3人の若者が敗戦間近の日本にあって、"大切に思う人""未来への想い"を支えに進もうとする姿。それを胸に刺さるほどに伝えてくる3人の演技は絶品と言うほかない。

また、修と裕之を女手ひとつで育てた母・フミを演じる田中裕子、京都帝国大学理学部の教授・荒勝文策を演じる國村隼らも、味のある演技で物語をより深いものにしてくれる。

本作は、2020年夏に急逝した三浦春馬が出演した作品の中で最後に劇場公開された、言葉では表せないものを伝える演技力を持つ三浦の、心を打つ迫真の演技が見られる一作。三浦はもちろん、柳楽優弥、有村架純らの名演技と合わせて、過酷な時代を生きた若者たちの姿をぜひ見届けてほしい。

文=堀慎二郎

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放送情報【スカパー!】

映画 太陽の子<4Kマスター版>
放送日時:2024年4月6日(土)6:00~、2024年4月24日(水)19:50~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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