綾瀬はるかが演じる凄腕スパイを支える長谷川博己の存在感が強烈!映画「リボルバー・リリー」

「リボルバー・リリー」で主演を務める綾瀬はるか
「リボルバー・リリー」で主演を務める綾瀬はるか

慎太の父・細見欣也が、陸軍に依頼され調達した資金を持ち逃げしたこと。上海の銀行にあるその金を引き出すには慎太が必要であり、故に陸軍に狙われていること――明らかになった事実を百合に報告するシーンでの岩見は、冒頭の印象をさらに上回る有能な男に映る。

岩見が活躍するシーンはほかにも多くあり、慎太の持ち物から銀行の暗証番号の手がかりを掴んだり、謎の集団に拉致されても取り乱すことなく、逆に落ち着いた態度で相手の正体を言い当てたりする。頭が切れる上に腹も据わっていて、物語が進めば進むほど岩見が"何があっても頼れる男"であることが印象付けられていく。

一方、慎太を守ると決めた百合は、陸軍の精鋭を相手に血で血を洗う戦い繰り返す。ギリギリの死闘にハラハラしながらも、どこかで"絶対に百合は負けない!"と思ってしまうのは、百合の超人的な戦闘技術に加え、徹頭徹尾百合をサポートする岩見の存在があるからだろう。無意識のうちにそう思わせてしまう長谷川の演技力は、見事と言うほかない。

かつて愛した男の真実を知り動揺する百合を支えたり、慎太を安全な場所に移す手はずを整えたり、岩見は最後まで、忠実に百合をサポートする。そして最後の戦いの前に、物語の中で初めて銃を取る。

その時岩見は、海軍をやめた自分と、百合を守りたいという自分が葛藤するような絶妙な表情と、決意に満ちた表情を見せる。そこまでほとんど語られない岩見の内面を、その表情でわからせてしまう説得力もさすがだ。

実は本作の初日舞台挨拶で、長谷川は役作りに徹するあまり原作と違う岩見像を作ってしまったということで、長浦京への謝罪の言葉を口にしている。しかし本作における岩見が、強烈な存在感を放つ人物としてスクリーンに映し出されていることは、誰もが認めるところだろう。

百合と岩見の戦いは果たしてどんな結末を迎えるのか。長谷川が存在感の強い演技で体現した岩見の魅力はもちろん、好評だった綾瀬はるかの熾烈なアクションシーンにも注目して、本作を心ゆくまで堪能していただきたい。

文=堀慎二郎

この記事の全ての画像を見る

放送情報【スカパー!】

リボルバー・リリー
放送日時:2024年6月12日(水)0:30~
チャンネル:WOWOWライブ

放送日時:2024年6月21日(金)10:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物